まずキャッシュレス決済で、カテゴリー別にどのサービスを利用しているかの問に対しては、「クレジットカード」が78%で、調査を開始してから9年連続でトップを維持しているものの、急速に伸びてきたのがPayPayなどの「QRコード決済アプリ」で66%の2位に着けました。3位は57%で交通ICカードなどの「FeliCa型電子マネー」となっています。
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利用しているキャッシュレスサービスを細かく見ていくと、トップは「PayPay」で49%と約半数が利用している結果に。2位は昨年までトップだった「楽天カード」で46%、3位が37%で交通ICカードとなっています。
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1年前と比較した各カテゴリーの利用増減については、「QRコード決済アプリの利用」と「後払いサービスの利用」がかなり増えている一方で、「現金の利用」はかなりしぼんでいることがわかります。
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各カテゴリー別の年齢層を見てみると、クレジットカードは10代が弱く年齢が上がるほど利用率が増えています。一方でQRコード決済アプリは10代が強く、年齢が上がると若干下がりますが、60~70%の利用率を獲得しており、幅広い層に多く利用されていることがわかります。
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とはいえ、まだまだ現金もしくはクレジットカードのみという場所も多く、すべてをキャッシュレスで行うのは難しいのが現状です。各業種における決済手段を見てみると、病院やクリニックなどは現金率が高く7割を超え、クレジットカードが強いのが家電量販店やガソリンスタンド、百貨店で50%強。QRコード決済アプリは、コンビニエンスストアが37%とダントツで、次いでドラッグストア(28%)、ファストフード(26%)となっています。
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また、QRコード決済アプリに絞って、1年前との利用率比較をしたところ、どの業種でも伸びていますが、タクシーや居酒屋・バー、スーパーでの利用が大きく伸ばしています。
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キャッシュレス決済はサービスによって利用限度額が違い、取り扱っているサービスも店舗によって異なるうため、どうしても使い分ける必要が出てきます。クレジットカードもQRコード決済アプリもFeliCa型電子マネーも、スマホ1つあればすべてまかなえるので楽ではありますが、使い分けているとポイントサービスの獲得ポイントが分散してしまうという難点もあります。
その点PayPayや楽天は、複数のカテゴリーサービスを抱えているので、ポイントが分散せず顧客の囲い込みに成功しており、特にPayPayは大型キャンペーンを連発して利用者を多く獲得し利用率でトップまで上りつめています。今後もこの2強の争いが続くのか、はたまた逆襲する勢力が出てくるのか、キャッシュレス決済業界の動向が気になるところです。
出典:インフキュリオン「決済動向2023年上期調査」より