驚くことではないが、4月に最も多く保有されていたデジタル資産はビットコインで、回答者の16%が「いくらか保有している」と答えている。1年前は13%だった。イーサリアムを所有する人の割合は12%で2番目に多く、バイナンスコインとテザーがそれぞれ8%で続いた。
ただし、ビットコインが「仮想通貨」と呼ばれることに異議を唱える人は多いということに留意すべきだろう。米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長と米商品先物取引委員会(CFTC)のロスティン・ベナム委員長でさえ、世界最大のデジタル資産であるビットコインを「コモディティ(商品)」と表現している。
圧力下にある従来型の金融
仮想通貨を所有する人の増加は銀行業界、特にシリコンバレー銀行(SVB)、シグネチャー銀行、直近ではファースト・リパブリック銀行の破綻などを含む市場の動揺に関連している可能性が高い。サンフランシスコ拠点のファースト・リパブリックは今年米国で破綻した3つ目の銀行となり、米史上2番目に大きな破綻した銀行となった。2兆6000億ドル(約350兆円)を超える資産を持つ米最大の金融会社であるJPモルガンはこのほど米連邦預金保険公社(FDIC)から競売でファースト・リパブリックを買収し、さらに規模を拡大した。
多くの投資家がいつの日か従来の金融商品やサービスに取って代わるだろうと確信しているデジタル資産は4月最終週に上昇した。ブルームバーグ・ギャラクシー・クリプト・インデックスは4.69%、ビットコインは7.64%上昇した。
ビットコインと金への投資が増加
モーニング・コンサルトの世論調査によると、米国人の4分の1以上(27%)が今後1カ月でビットコイン保有を増やす予定だと回答した。イーサリアムについても21%が同様の回答をした。しかし銀行がますます不安定になる中、投資家が求めている資産は仮想通貨だけではなかった。金の生産者もその恩恵を受けている。