M39からは擲弾(てきだん)サイズの子弾1000発近くがばらまかれる。M39A1ではロケットモーターが大型化された分、弾頭は小さくなり、撒布される子弾は300個弱となっている。
ロシアのある有名な軍事ブロガーによると、ウクライナ軍は14〜15日の夜にベルベク飛行場に向けてATACMSを10発発射した。ベルベク飛行場はM39では届かないが、M39A1なら届く。基地にはこの夜、3000個近くの子弾が降り注いだ可能性がある。
被害は甚大だった。S-400のレーダー1基と発射機2基が撃破され、燃料貯蔵庫1カ所が夜通し燃え続けた。同じブロガーはMiG-31が1機、Su-27が3機損傷したとも報告していたが、のちに衛星画像から実際の被害はもっと深刻だったことが判明した。
On @Maxar imagery, two MiG-31s and one Su-27 have been completely destroyed, and a MiG-29 damaged, at the Russian Air Force's Belbek Airbase in occupied Crimea. A fuel storage near the main airbase runway was also destroyed, and debris continued to burn in the aftermath. https://t.co/ZWflMYUFVw pic.twitter.com/80N56MRP2h
— Christiaan Triebert (@trbrtc) May 16, 2024
被害の程度が明らかになるにつれて、ロシアの軍事ブロガーらは怒りを募らせている。あるブロガーは「なぜ防護物が設けられていないのだ」「(全面侵攻の開始から)2年3カ月たつのに、なぜわが軍の地対空ミサイルシステムはいまだに野ざらし状態なのか」と疑問を呈している。
さらに「われわれは昨年秋から、ウクライナ軍はクリミアに対する攻撃に全力を注ぐだろうと警告してきた」と不満を示し、ロシア軍の指揮官たちは「この脅威を軽んじてきた」と嘆いている。
(forbes.com 原文)