欧州

2023.10.24 10:30

米製ミサイルでヘリ21機破壊か ウクライナ、ロ空軍に「過去最大の打撃」

ロシア軍のKa-52攻撃ヘリコプター。2021年4月、サンクトペテルブルク・プーシキンで(JetKat / Shutterstock.com)

ウクライナ軍が先日、米国から供与されたM39「ATACMS」弾道ミサイルで初めて行った攻撃では、ウクライナ国防省が当初主張していたよりもはるかに大きな損害が出たもようだ。

ウクライナ軍は17日、南部ザポリージャ州ベルジャンシク郊外と東部ルハンスク州にある2つの飛行場に、計3発のM39を撃ち込んだと報じられている。ウクライナ国防省は、これによってロシア軍のヘリコプター9機を破壊したとしていた。

だが、X(旧ツイッター)のオープンソースインテリジェンス(OSINT)アカウント「GeoConfirmed」は、商業衛星画像の分析から、実際はヘリコプター21機が運用不能に陥ったと結論づけた

「この戦争の開始以来、ロシア空軍にとっておそらく最大の打撃になった」との見方をGeoConfirmedは示している。

ウクライナの調査チーム「Frontelligence Insight」も同様の分析結果を示している。チームを率いるウクライナ予備役将校のアカウント「Tatarigami_UA」は「彼らの数字はわれわれのチームによる公式の推定よりやや多いが、留意すべきなのは彼らの推定もしっかりとした根拠に基づいていることだ」と述べている。

これらの調査では、ヘリコプターが撃破されたか著しく損傷したかを確認するために、ヘリが最近駐機していたことがわかっている地点周辺に焼け跡のある衛星画像を探した。それと、ロシア側でソーシャルメディアに投稿されている写真や動画を相互参照したほか、損傷したり飛行不能になったりしたヘリが飛行場から運び出された形跡についても調べた。

一部の観察者からは、両グループによる損害の集計結果に疑問も出ている。ベルジャンシク郊外の飛行場の衛星画像については、Frontelligence Insightも「何百もの小さな焦げ跡を検出できるほどの解像度ではなかった」と、困難があったことを認めている。他方「ルハンスク州の飛行場の場合は画像の解像度がもっと高く、鮮明に写っているので、検出ははるかに容易」だとしている。

GeoConfirmedは、今回の損害数は異常に多いと思えるかもしれないが、M39の破壊力を考えれば不自然な数字ではないとも強調している。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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