欧州

2024.05.11 11:00

ウクライナの軽飛行機型ドローン、前線から1300km超離れた巨大石油施設を爆破

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4月27日かその少し前には、ニンジャ改造型ドローンがロシア領内への攻撃を試み、国境から1000kmほど離れた地点に墜落している。この攻撃は失敗に終わったが、2週間後に行われたサラバトの製油所に対する攻撃はウクライナ側にとってより実りの多いものになった。ロシア国営ガス会社のガスプロムが保有するこの製油所はロシア国内で最大級の石油関連施設だ。
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こうした遠距離打撃作戦でウクライナが何を達成しようとしているのか、正確なところは不明だ。一連の攻撃でロシアのガソリン生産はやや落ち込んだものの、おそらくロシア経済にただちに影響を与えるほどではない。現時点でロシアの長期的な戦争努力に打撃になりそうにもない。

ウクライナのエネルギー専門家であるヘンナディー・リャブツェウは、地元メディアのウクラインシカ・プラウダにこう語っている。「これらの攻撃は単発的なものです。(ロシア側に)痛みをもたらし、物流に影響を与えはしても、年間の製油量全体にはたいして影響を与えないでしょう」

ウクライナ側はこうした攻撃によってロシアの防空網に負荷をかけることを狙っているのかもしれない。ドローンで越境攻撃を続ければ、ロシア側は国内各地に何百とある攻撃目標を守ることを強いられる可能性があるからだ。防空網が引き延ばされれば、個々の基地や工業施設の防御は薄くなる。「どこもかしこもは守れない」とマーク・ハートリング米陸軍退役中将が言っているとおりだ。
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もしこれがウクライナ側の真の狙いなら、ロシア領内への遠距離攻撃は、より前線近くへの攻撃、たとえば飛行場や訓練場に対する地上発射型ロケット弾や短距離ドローンによる攻撃と補完関係にあると考えるべきだろう。

つまり、ウクライナ側はスポーツ機改造型ドローンを使って深部をたたくことでロシア側の防空システムを分散させ、それを通じて、もっと直接的で明瞭な効果が期待できる攻撃をやりやすい状況をつくり出そうとしているのかもしれない。たとえば5月1日ごろ、ウクライナ東部ルハンシク州で野外に集まっていた大勢のロシア軍部隊に対して行われた攻撃などがそれに当たるかもしれない。

この攻撃ではATACMS地対地ミサイルの一撃で、ロシア軍の兵士ら100人以上が死亡したと伝えられる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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