M2は一般的な戦車より10〜20tは軽い。戦車に比べて装甲がはるかに薄いのが主な理由だ。したがって、ロシア軍の戦車との接近戦では長くはもたないかもしれない。一方、遠距離戦では精密な照準器やTOWを装備するM2が有利になるだろう。とりわけ夜間は、優れたサーマルビジョン(熱赤外線可視化)機器のおかげで、敵の戦車を相手に見つけられる前に発見できるかもしれない。
国防総省もかねて、M2の戦車撃破能力はウクライナ軍に高く評価されるのではないかとみていた。「ブラッドレーは具体的に言えば、非常に強力な対装甲能力を備えています。この能力は、ロシアがウクライナに配備しているあらゆる装甲能力に対して有効でしょう」。ローラ・クーパー国防副次官補は昨年、米国がウクライナの戦争努力向けにM2約200両の供与を表明した直後の記者会見で、こう語っていた。
実際、第47旅団のM2は、歩兵を支援する任務の合間に「戦車狩り」の任務にもあたってきた。昨年夏、南部であった激しい小競り合いでは、1両でロシア軍のT-72戦車2両を立て続けに撃破したこともあった。
第47旅団は1年間、休まずに戦闘を続けている。その結果、M2大隊もかなり損耗している。オランダのOSINT(オープンソース・インテリジェンス)分析サイト、オリックス(Oryx)の集計によれば、ブラッドレーはこれまでに37両が撃破され、ほかに数十両が損傷している。第47旅団が先月、アウジーウカの西方で攻勢を続けるロシア軍と戦ったときには、M2が不足していた。
米国から新たなM2が届くにつれて、そうした状況は変わりつつある。第47旅団が前線の安定化に努めるなか、M2が遠距離からロシア軍の戦車を仕留める光景は今後も見られそうだ。「さらに任務に励もう!」と第47旅団は決意を示している。
(forbes.com 原文)