欧州

2024.05.09 09:30

車両不足のロシア軍、新たな代替手段はオートバイ 無防備すぎて犠牲者続出

実際、大型車両からオートバイに乗り換えた結果、一部のロシア軍部隊は大きな犠牲を払っている。たとえば4月15日ごろ、ウクライナ東部バフムートの近郊で、ロシア軍のオートバイ部隊による突撃がウクライナ軍の第92独立強襲旅団に撃退されている。

3週間後の5月7日ごろには、同じく東部のノボミハイリウカをロシア軍部隊がオートバイなどを使って強襲したが、オートバイ8台がウクライナ軍の第79独立空中強襲旅団に撃破される結果になった。同旅団は、オートバイ部隊は「こてんぱんにやられました」と報告している

タタリガミUAは、ロシア側の車両補充能力の制約を「如実に示す」例として、兵士数人を輸送するための粗雑な即席サイドカー付きオートバイを紹介している。明らかに定員オーバーのこのバイクは、おそらく先週、ロシア軍部隊が東部のビロホリウカに突撃をかけた際に乗り捨てたものだ。

こうした損失にもかかわらず、ロシア軍の少なくとも1つの部隊は、強襲用車両としてオートバイは役に立つと考えているらしい。第123自動車化狙撃旅団所属の「ザリャ」大隊は、オートバイは装甲車両よりも素早く動け、ウクライナ側に見つけられにくいと述べている

ロシア軍は、亀の甲羅のような大きな追加装甲で覆われた「亀戦車」のように、オートバイでも防護の強化を図っている。ロシア兵のオートバイがウクライナ軍のFPV(一人称視点)ドローンに背後から追い上げられる様子は一度ならず映像で確認されているが、一部のロシア軍部隊はFPVドローンの脅威を軽減するために、オートバイの周りに金属製のメッシュを張るようになっている。

ともあれ、ウクライナ軍の第79旅団はオートバイによる突撃には感心していない。7日かその前日、ロシア軍のオートバイ部隊による突撃を撃退したあと、第79旅団は「われわれの攻撃ドローンの操縦士たちは(ロシア側の)創意を高く評価していません」とソーシャルメディアに投稿している。

破壊されたオートバイやロシア兵ライダーの遺体も出てくる映像に添えて、「各ライダーはゴールに届く前にスピード違反で罰を受けました」とも皮肉っている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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