宇宙

2024.04.23 11:00

宇宙開発が「思っているほど進んでいない」現実的な5つの理由

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だが、NASAがスペースXと2021年に契約した有人月面着陸船「スターシップHLS(ヒューマン・ランディング・システム)」の実現には、まだかなりの年数を要する模様だ。NASAが現在掲げるアルテミス計画の進捗はかなり遅れそうだとパイルは指摘する。
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NASAのアルテミス計画はすでに遅れが出ており、スペースXと、(アルテミス5号の月着陸船の開発について2023年に契約した)ブルーオリジンは、スケジュールを順守するためにかなりの努力が必要になるとパイルは見ている。

理由その2:多くの人は、宇宙開発がもたらす技術的なメリットをまだ理解していない

宇宙開発に反対する人たちには、国を挙げた宇宙開発プログラムがもたらす技術的なメリットについて、事実とかけ離れた情報を信じ込んでいるケースが多い。

パイルによれば、かつてのアポロ計画に関しては、投資額1ドルにつき16~25ドルが、何らかのかたちで米国経済に還元されていることが確認されているという。また、技術分野における主導権の確保や、STEM(科学・技術・工学・数学)教育にもたらされるメリット、そしてその結果として生じた、高等教育を受けたプロフェッショナル層の増加は、はっきりと認められた成果だと同氏は指摘する。

理由その3:宇宙観光業や商用宇宙開発の市場は、現時点では非常に小規模

宇宙観光業は、1つの産業として成り立つ可能性がある。つまり、人気SFシリーズ『スタートレック』でカーク船長を演じた俳優のウィリアム・シャトナーが2021年にブルーオリジンのロケットで行ったような、低軌道で数分間の無重力を体験する「宇宙飛行」のことだ。また、成層圏まで上昇可能な新世代の気球が実用化されれば、体験できる時間は、1回につき数時間にまで延びるはずだ。

これが実現すれば、「オーバービュー・エフェクト(概観効果)」を体験する人の数は、かなり増えるだろう。これは、真っ暗な宇宙空間に浮かぶ地球の姿を見た宇宙飛行士が体験する、それまでの認識を覆すような認知の転換を指す言葉だ。
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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