政治

2024.03.05

ロシア国内外で相次ぐプーチン批判者の不審死 時系列でさかのぼる

ドイツの首都ベルリンにあるロシア大使館前に手向けられた花束とロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイの写真。2024年2月24日撮影(Sean Gallup/Getty Images)

ウクライナ侵攻に異議を唱え、昨年同国に亡命したロシア軍ヘリコプター操縦士が先月13日、スペイン南部の村で射殺体で発見された。ロシアでは2022年のウクライナ侵攻開始以降、ウラジーミル・プーチン大統領の批判者や政敵が不審な状況で死亡する事件が相次いでいる。

2024年2月16日 アレクセイ・ナワリヌイ

長年にわたりプーチン大統領を批判し、懲役19年の服役中だったロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ(47)は、同国北極圏の辺地にある刑務所に予告なく移送された数週間後、施設の庭で倒れて死亡しているのが見つかった。

2024年2月13日 マクシム・クズミノフ

ウクライナ侵攻に反対して同国に亡命したロシア軍ヘリコプター操縦士のマクシム・クズミノフ(28)は、スペイン南部ビヤホヨサで複数の銃弾を浴びて死亡しているのが見つかった。クズミノフは偽名を使っていたため、身元確認まで数日間を要した。

2023年11月2日 ウラジーミル・スビリドフ

プーチン大統領を批判していたロシア空軍司令官のウラジーミル・スビリドフ中将(68)が、自宅で妻とともに死亡しているのが見つかった。米政府系メディア「ラジオ自由欧州(RFE)」が伝えた。

2023年10月1日 ウラジーミル・ネクラソフ

ウクライナ侵攻の早期終結を公然と求めていたロシア石油大手ルクオイルは、同社のウラジーミル・ネクラソフ会長(66)が急性心不全で死亡したことを明らかにした。この前年には、前任者のラビル・マガノフ会長も謎の死を遂げていた。

2023年8月23日 エブゲニー・プリゴジン

ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループの幹部を乗せた航空機が墜落し、この2カ月前に軍事クーデター未遂事件を起こしていたエブゲニー・プリゴジン最高経営責任者(CEO、62)を含む搭乗者全員が死亡した。プリゴジンCEOは、かつてはプーチン大統領の腹心として知られていた。

2023年8月16日 ゲンナジー・ロプイレフ

ロシア南部ソチにあるプーチン大統領の屋敷を監視していた元連邦警護庁(FSO)のゲンナジー・ロプイレフ中将(69)が、刑務所で死亡しているのが見つかった。ロプイレフ中将は収賄罪で懲役10年の服役中だった。刑務所関係筋に取材を試みたRFEによると、死因は特定されなかった。

2022年12月24日 パベル・アントフ

ウクライナ侵攻を批判していると報じられていた食肉加工会社の経営者で地方議員だったパベル・アントフ(65)は、インドのホテル・サイ・インターナショナルの窓から転落して死亡した。同僚のウラジーミル・ビデノフ(61)が同じホテルで心不全のため死亡したわずか2日後のことだった。

2022年9月1日 ラビル・マガノフ

ウクライナ侵攻に批判的な数少ないロシア企業の1つとして石油大手ルクオイルが浮上してから数カ月後、同社のラビル・マガノフ会長(67)が首都モスクワの病院の窓から転落して死亡した。

2022年8月14日 ダン・ラポポート

プーチン大統領を公然と批判し、ナワリヌイを支持していたラトビア系米国人の投資家でナイトクラブ経営者のダン・ラポポート(52)は、米ワシントンの高級マンションから転落して死亡しているのが見つかった。警察は不審な点はなかったと発表したが、友人や同僚は米ニュースサイト「ポリティコ」に、ラポポートの突然の死は極めて疑わしいと語った。
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翻訳・編集=安藤清香

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