ナワリヌイの広報を担当するキラ・ヤルムイシュがX(旧ツイッター)に、ナワリヌイがロシア北部ヤマロ・ネネツ自治管区に位置する小さな集落ハルプの刑務所で見つかったと投稿し「元気だ」と伝えた。
ナワリヌイの弁護士イワン・ジュダノフは、北極圏の永久凍土地帯に位置する同刑務所は「概して最北端にあり、最も遠隔地にある流刑地の1つ」だと説明。同刑務所では手紙を書くことが許されず、弁護士が公判前勾留中の依頼人と連絡を取るために使用するアプリ「ゾナテレコム」への接続も許可されていないと指摘した。
同弁護士はXへの投稿で「流刑地では事前に到着を準備していたようだ」と推測。「連邦刑務所のアルカジー・ゴステフ所長が4月に同流刑地を訪れ、恐らくその時にアレクセイ(ナワリヌイ)をそこに移送することを決めたのだろう」と述べた。
ヤルムイシュもジュダノフも、弁護士の1人が25日に同刑務所でナワリヌイと面会できたことを認めた。
ナワリヌイは野党政治に関わる前は弁護士として名を馳せ、政府の汚職に反対する運動を行っていた。2013年のモスクワ市長選挙に出馬したが落選。2018年には大統領選に出馬しようとしたが、選挙管理委員会によって失格とされた。これを巡っては、広く抗議運動が巻き起こった。3年前にはナワリヌイに対する猛毒の神経剤による毒殺未遂事件が起こり、ロシアの諜報機関が関与していたとの声も上がったが、プーチン大統領は事件への関与を否定している。
ロシアの裁判所は昨年、ナワリヌイを詐欺罪と法廷侮辱罪で有罪とし、懲役9年の判決を下した。今年8月には過激主義を扇動したとして有罪となり、さらに懲役19年が言い渡された。ナワリヌイは当初、モスクワ以東の流刑地に収監されていたが、今月6日から行方不明となっていた。それ以降21日間、弁護団はナワリヌイの居場所も含め、当局から何も通知されていなかった。
(forbes.com 原文)