欧州

2024.02.18 10:00

ロシア「1日に砲弾1.5万発」でウクライナ打倒と試算 現在1万発

ロシア軍の2S19ムスタ-S自走榴弾砲。2014年5月、モスクワで(ID1974 / Shutterstock.com)

ロシア軍の2S19ムスタ-S自走榴弾砲。2014年5月、モスクワで(ID1974 / Shutterstock.com)

1日あたり1万5000発。2025年にウクライナ軍を打倒し、ウクライナでの戦争に勝利するために必要とロシアが試算している砲弾の数だ。

これはロシア軍の火砲が現在、ウクライナで1日に発射している砲弾数よりも5000発多く、ロシアの産業界が1日に生産している砲弾数よりも9000発多い。

不足分を補うためにロシアには2つの選択肢があるが、どちらも制約がある。1つは、国内で長期保管されている古い砲弾約300万発の一部を再び使用できる状態にすること。

もう1つはイラン、より重要なのは北朝鮮から、これまでに取得した計200万発かそこらに加えて、砲弾をさらに確保することだ。

どちらもいうほど簡単なことではない。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の新たなレポートによれば、ロシア軍は2025年、主力砲弾である152mm砲弾の「大幅な不足」に直面するとみられている。

ロシアが2022年2月にウクライナに対する戦争を拡大して最初の数カ月、ロシア軍の榴弾砲数千門は砲弾を惜しみなく撃ちまくった。エストニア国防省によればその数は1日6万発に達した。

凄まじい集中砲火を続けた結果、ロシア軍はたった数カ月で砲弾を数百万発消費した。全面戦争の開始前に保有していた152mm砲弾や122mm砲弾をほぼ撃ち尽くしたことになる。

1年半後の2023年後半、ロシア軍が1日に発射する砲弾数は1万発程度となっていた。ウクライナ側の発射数は、米国が韓国から買い上げてウクライナに供与した砲弾100万発のおかげで、それにほぼ並んでいた。

2022年以前、ロシアの産業界が生産もしくは戦時備蓄から充当できる砲弾数は年間40万発程度だったとエストニア国防省は推定している。古い砲弾がなくなれば、ロシアは新しい砲弾を生産して補わなくてはならない。

実際そうしている。2年間の投資によって、ロシアの122mmと152mm砲弾の年間生産能力は計210万発まで拡大した。これらの支出のために、ロシアの国内総生産(GDP)に占める国防費の割合は以前の2〜3倍に増えている。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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