リポートの執筆者である軍事アナリストのジャック・ワトリングとニック・レイノルズは、ロシアには古い砲弾がさらに300万発保管されている可能性があるものの「大半は状態が悪い」と説明している。
イランと北朝鮮は、さらに数百万発の砲弾をロシアに引き渡す用意があるだろうか。ロシアは数十億ドルにのぼるその代金を支払う余裕があるのか。いずれも不明だ。
この厳しい見通しに関してロシア側に慰めがあるとすれば、ウクライナ側は砲弾の確保にもっと苦労しているということだろう。ウクライナはとりわけ、2023年末に唐突に打ち切られた米国からの援助を何らかの方法で埋め合わせる必要がある。
この戦争の最初の1年半にウクライナに砲弾をおよそ200万発譲渡した米国は、ウクライナにとって最大の砲弾供給国だった。だが昨秋、米議会でロシア側に同調する共和党議員らがウクライナへの追加援助を阻んだ。
その結果、1日1万発あったウクライナ軍の砲弾発射数はわずか2000発程度まで落ち込んでいる。
米陸軍は新たなウクライナ向け援助予算によって、テキサス州にある主力弾薬工場の生産能力を大幅に増強する計画だった。2025年末までに、155mm砲弾の生産能力を年間120万発に増やすことをめざしていた。
計画の実現は危ぶまれている。もし生産を増やせても、共和党が採決に応じない限りウクライナに向けて出荷されることはないだろう。
(forbes.com 原文)