サイエンス

2024.03.15 14:30

実は攻撃的なカクレクマノミは他の魚の「縞」を数えて敵味方を区別する

3匹のカクレクマノミが1匹のイソギンチャクを共有している(Klaus Stiefel / CC BY-NC 2.0 DEED)

カクレクマノミは、11日齢前後で2本の白い帯が現れ、3日後に3本目の帯が現れる。このため、帯が2本の魚は、侵入者の幼魚であると認識して追い払うが、1本または0本の魚は明確に異なる種であり、自分たちのイソギンチャクの家を奪うことはないと考えるのだろう。
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「カクレクマノミは白い帯の数を識別の手がかりとして使用し、同じ宿主を使用する可能性のある競争相手のみを攻撃していると考えています」と研究チームは結論づけた。「私たちはこれを、宿主の防衛の効率的な方法だと認識しています」

セジロクマノミ(Rickard Zerpe / CC BY-SA 2.0 DEED)

セジロクマノミ(Rickard Zerpe / CC BY-SA 2.0 DEED)

この研究は、以前の研究に詳細を加えるものだが、いくつか限界もある。たとえば、幼生のカクレクマノミたちは、自分と同じ種の仲間しか見たことがないため、その攻撃的な行動が生まれつきのものなのか、幼生期に獲得したものなのかを区別することは難しい。しかし過去の研究が、クマノミ類が同種の個体や、他の種を識別するために模様を使っていることを発見していることを指摘しておくのは意味があるだろう。

「カクレクマノミは帯模様によって侵入者を認識し、宿主であるイソギンチャクを守るために頻繁に攻撃して追い出していると考えられます」と研究チームは述べた。「過去の一連の研究は、白い帯模様がカクレクマノミが侵入者を識別する重要な手がかりである可能性を示しています」
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出典:Kina Hayashi, Noah J. M. Locke and Vincent Laudet (2024). Counting Nemo: anemonefish Amphiprion ocellaris identify species by number of white bars, Journal of Experimental Biology 227(2):jeb246357 | doi:10.1242/jeb.246357

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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