宇宙

2024.01.30

気象衛星ひまわりが捉えた「夜光雲」、美しく輝く

気象衛星ひまわり9号が捉えた一筋の夜光雲(CSU/CIRA & JMA/JAXA)

自然はあらゆる種類の光のショーを生み出す。オーロラ、真っ赤な夕焼け、雷鳴を轟かせる稲妻、色彩豊かな日の出など、私たちは様々な光景を目にする。しかし、宇宙から見るのが最も美しい現象もある。日本の気象衛星ひまわりが捉えた夜光雲の映像は、自然の驚異がもたらす稀有な景色を垣間見せてくれる。

米国海洋大気庁(NOAA)は、衛星写真とデータに特化したX(旧ツイッター)アカウントを運営している。1月17日、NOAAはひまわり9号が撮影した夜光雲の動画を公開した。

この動画は曲面状の南極と暗闇の宇宙を映し出している。画面で下の方に見えるのが通常の雲で、その上に現れる薄いゴーストのように見えるのが夜光雲だ。「氷の結晶で構成されたこの薄くて波打っている青白い雲は、薄明の極圏から最も美しく見えます」とNOAAは述べている。「夜光雲は高度約80~100kmに形成されます」

こんな美しい光景が見られるのは、数多くの岩石質の天体のおかげだ。流星塵の細かい粒子の上で氷の結晶が成長し、夜光雲の形成に一役買う。

夜光雲は太陽系の他の場所でも見ることができる。NASAの火星探査車キュリオシティは、氷の結晶からなるふわふわとした雲を2021年に火星で撮影した。火星の高高度にできる雲は地球の雲と異なり、私たちがドライアイスとして馴染みのある凍った二酸化酸素でできているらしい。「(火星の)日没直後に見ると、氷の結晶が陰りゆく光を受けて、暮れていく空の前で輝いて見えます」とNASAは説明した。
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翻訳=高橋信夫

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