78歳のアコーディオン奏者スチュアート・ダグラスは、「私は少年時代にスコットランドのファイフの鉱山村に住んでいたときにアコーディオンを弾くことを学び、警察官としてのキャリアを通じて、またそれ以降も続けてきました」と、エクセター大学に語った。現在もダグラスはアコーディオンバンドで演奏している。「私たちは定期的にメモリーカフェ(日本では「認知症カフェ」とも)で演奏していて、音楽が記憶喪失の人々に与える影響を目の当たりにしてきました」と彼はいう。「高齢の音楽家である私たち自身、高齢になっても音楽を続けることが、自分たちの脳を健康に保つ上で重要な役割を果たしていることに疑いはありません」。
音楽活動と老齢期の脳のパフォーマンス向上を関連付けた研究は、PROTECT Studyが初めてではない。たとえば、昨年スイスで行われた研究では、音楽を取り入れたケアによって高齢者の灰白質とワーキングメモリーが増加することが示された。
このような研究は、人々が音楽の基礎を築き、生涯を通じて演奏し続けることができるように、音楽教育へのアクセスを提供することに健康上の利点があることを示唆している。しかし、高齢者がかつて中断した音楽に復帰するように促すことにも価値がある。
「認知症患者に対する音楽グループ活動の有益性については、かなりの根拠が揃っています」とコーベットはいう。「このアプローチは、高齢者が積極的にリスクを軽減し、脳の健康を促進できるように、高齢者のための健康的加齢対策の一部として拡張されるかもしれません」。
(forbes.com 原文)