欧州

2024.01.26 10:00

ウクライナ、国境近くでロシア軍の大型輸送機撃墜か 「捕虜搭乗」は未確認

ベルゴロド州側を飛行するロシア軍の輸送機をウクライナ空軍が攻撃できるのは、驚くべきことではない。ハルキウ市にはウクライナで最高クラスの西側製防空システムなどによって厳重に防御されており、それにはおそらく、空軍が保有する米国製パトリオット地対空ミサイルシステム3基のうち、1基も含まれる。

パトリオットのPAC-2型の射程は160km近くあるため、ウクライナ側は比較的安全なハルキウ市を離れることなく、ベルゴロド市周辺の上空を飛ぶロシア軍機を脅かせる。そして、ウクライナの防空部隊は、ロシア領内やロシアの支配下にあるウクライナの地域を飛行するロシア軍機を狙って、ミサイル攻撃の周到な罠を仕かける任務に熟達している。

昨年5月、ウクライナ軍のパトリオットは、ウクライナと国境を接するロシア西部ブリャンスク州の上空で、スホーイSu-34戦闘爆撃機1機、スホーイSu-35戦闘機1機ミルMi-8ヘリコプター3機を一気に撃墜した。ブリャンスク州の州都ブリャンスク市はウクライナとの国境から110kmほどの距離にある。

昨年12月には、ウクライナ軍のパトリオットもしくはS-300地対空ミサイルが、ロシアの占領下にあるウクライナ南部の上空で、1回の交戦で3機のSu-34を撃墜した

さらに今月、ウクライナ軍の防空兵器はアゾフ海上空で、ロシア軍の希少できわめて重要なベリエフA-50早期警戒管制機を撃墜した。使われた兵器は12月の攻撃と同じだったかもしれない。

ロシア軍は、巨体でスピードの遅い輸送機を、ウクライナ軍のミサイルのキルゾーンになり得る空域に入れるべきではなかった。ウクライナ国防省情報総局は「戦闘地域の30km内に輸送機を着陸させるのは安全であるはずがない」と述べている

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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