検索機能が充実するApple Music Classicalは、クラシック音楽に馴染みのなかったユーザーにも多くの発見をもたらしてくれるのではないかと、角野は期待を込めて語る。
「1枚のCDやレコードのアルバムを何度も繰り返し聴いていた頃と違って、音楽のサブスクリプションサービスが主流になった今では1つの作品を深く掘り下げて聴く機会が少なくなりました。好きな作品をとことん聴き比べてみることが、クラシックに親しみを持ている良い契機になると私は思います」
Apple Music Classicalにはドルビーアトモスによる空間オーディオに対応する作品も数多く揃う。角野は、空間オーディオが特にクラシック音楽と相性が良いという印象を持っているという。
「ドルビーアトモスによる空間オーディオは、1つひとつ音の細部まで迫る『リアルな音楽リスニング』を体験させてくれます。360度全方向から音が迫るコンサートホールのような臨場感が得られることもまた空間オーディオの魅力です」
ファンとのつながりから、自分にしかできないことが見えてきた
アルバム『HAYATOSM』をリリースしてから、角野氏は自身の個性と向き合う姿勢に変化が生まれたと振り返る。「世の中にたくさんのすばらしい作品があふれている中で、私がこの時代にできることは何かをいつも意識をしてきました。自分にしかできないことを表現するアーティストでありたいと。ストイックに自問する過程を経たからこそ、今では自分の個性を大事にできていると思います」
クラシック音楽には「難解」というイメージがつきまといがちだ。アルバムを制作している頃、角野氏はクラシックを誰もがより親しみの持てる音楽にするために様々な試行錯誤を重ねてきた。