UNDER 30

2024.01.22

クラシック音楽の感動を身近なものに ピアニスト角野隼斗が語るアップルの新音楽アプリ

クラシック・ピアニストの角野隼斗。東京大学工学部を卒業後、修士課程を修了してから音楽家への道を進んだ異色のアーティスト。デジタルテクノロジーにも精通する角野氏に「Apple Music Classical」の魅力を聞いた

アップルが、クラシック音楽の感動体験を身近にする新しい音楽配信「Apple Music Classical」のサービスを日本で開始する。クラシックをはじめ様々なジャンルの音楽を吸収しながら独自の世界観を創り出してきた異才のピアニストである角野隼斗に、音楽家・演奏家の視点からApple Music Classicalの魅力を語ってもらった。

活躍の舞台は世界、前進を続ける若きピアニスト

角野隼斗氏は本誌Forbes JAPANが世界を変える30歳未満の30人を選ぶ「30 Under 30」を、2023年に受賞した新鋭のピアニストだ。2020年に発表したアルバム「HAYATOSM」がApple Musicなどで現在配信されている。翌2021年にショパン国際ピアノコンクールでセミファイナリストに選ばれた角野氏が弾く、澄みわたるピアノの音色に耳を傾けたい。全12曲の中に収録する角野氏のオリジナル作品は美しいメロディと、思わず息を吞む角野の超絶技巧が聴きどころだ。

2023年の春に、角野氏は東京のほかニューヨーク・マンハッタンにも活動拠点を広げた。角野氏による海外公演の機会は以前から順調に増えていたが、ニューヨークに足場を築いてからはボストン・ポップス・オーケストラとの共演を実現。さらにフランス、ドイツ、イタリア、中国、オーストラリア、韓国、クロアチアなど世界各所での公演も行なった。「30 Under 30」の受賞には日本国内からだけでなく、角野氏の活動に注目する海外のファンからも多く祝福の声が寄せられたという。

ニューヨークに拠点を構えたことが、音楽家・演奏家としての角野氏に大事な経験をもたらした。

「私は以前からジャズのことをもっと知りたいという思いを持っていたので、ニューヨークに暮らしてからジャズのセッションに触れる機会を大切にしています。クラシックもカーネギホールやリンカーン・センターで行われるコンサートによく足を運びます。西海岸の街に比べるとニューヨークのマンハッタンは米国の中でも比較的コンパクトなので、この街を往来する様々な人々と気軽に会うことができます。多くのアーティストとの交流にも恵まれながら刺激を受けています」

活動の拠点を東京からニューヨークにも広げた角野氏。ユーチューバーのCateenとしても音楽の魅力を様々な形で発信している

活動の拠点を東京からニューヨークにも広げた角野氏。ユーチューバーのCateenとしても音楽の魅力を様々な形で発信している(スタイリスト 金野春奈/HARUNA KONNO)

角野氏にはユーチューバー・Cateen(かてぃん)としての顔がある。6人組シティソウルバンド、Penthouseのピアニストとして、1月24日にデジタルシングル『フライデースハイ』をリリースする。多彩な音楽活動を同時に注力することで見えてきた新しい景色があると、角野氏は語る。
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編集=安井克至

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