欧州

2024.01.09 09:00

ウクライナ軍、ドローンで地雷敷設 ロシア側の後方脅かす

ウクライナ軍のドローンは、海兵隊が南部ヘルソン州でドニプロ川を渡って左岸(東岸)のクリンキに築いた薄い橋頭堡(きょうとうほ)と、ロシア軍の後方をつなぐ数少ない道路にも地雷を落としている。

ロシアの著名な戦争特派員であるアレクサンドル・スラドコフは、クリンキ方面の戦況に関して「わが軍が前線と後方地域の間を移動するのは困難で危険になっている」とソーシャルメディアで報告している。その一因として「夜間、大型の無人機がわが軍の通る小道や道路に地雷をまき、移動を妨げている」ことを挙げている。

奇襲という要素は決定的に重要である。CITは「ウクライナ側は、繰り返し使われている小道やわだち、地雷が除去されたばかりの区域など、ロシア側が安全と判断している場所に地雷をまけるようになっている」と指摘している。

ロシア軍の部隊はいつ、どこで地雷に出くわすかわからない。安全を図るには、ドローンが飛行できる範囲、つまり接触線から15kmかそこらの範囲内にある道はすべて、地雷があるものと想定して行動しなくてはならない。

つまり、ロシア軍の部隊は、これらの道を通る際にはゆっくり進まないといけなくなる。ウクライナ軍はロシア軍の後方にある道路の一部に地雷を仕掛けるだけで、後方のすべての道路でロシア軍側の動きを鈍らせることができるだろう。

もちろん、例によってロシア側も同じことをやっている。ロシア軍の第1親衛戦車軍のドローン操縦士は先月、クワッドコプターを用いてPTM-3や、POM、PMN-4各対人地雷、PTM-4対戦車地雷を敷設していることを明らかにしている

とはいえ、いくつかの重要な戦域ではウクライナ軍の電波妨害(ジャミング)が非常に効いており、ロシア軍はドローンを使って地雷をまくことはおろか、ドローンを飛ばすことにすら苦慮しているのが実情だ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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