ウクライナのドローン部隊はクワッドコプター(回転翼が4つのドローン)やヘクサコプター(同6つのドローン)、オクタコプター(同8つのドローン)といった比較的大型のドローンをどんどん飛ばし、道路などに地雷をまくようになっている。
以前は、兵士がたいていは夜の闇にまぎれてロシア側の陣地のほうへ忍び寄り、手ずから地雷をまいていた。こうした細心の注意を要する任務を、いまではドローンが代わりにやるようになっている。
地雷の敷設は、その目標がロシア側の陣地と、近くにあるウクライナ側の陣地との間に地雷原を設けることである場合、危険な作業になる。ロシア側の陣地の後方に地雷原を設けるのが目標だとすれば、それこそ自殺も同然の任務だ。
だが、ドローンの場合はそうではない。
「ドローンは現在、目標の識別や攻撃、空中からの偵察、擲弾の投下だけでなく、地雷の敷設にも使われている」と独立系の調査分析グループ、コンフリクト・インテリジェンス・チーム(CIT)は最近解説している。「地上に落とされた弾薬は、衝撃で爆発するのではなく、そのまま残って地雷になる」
CITによれば、ウクライナ軍がドローンで設置している地雷は旧ソ連の古いPTM-3対戦車地雷とされる。PTM-3は珍しいボックス型の筐体に1.8kgの爆薬が詰め込まれている。
ウクライナ軍はPTM-3のオリジナルの信管を「ジョニー」と呼ぶ特別な信管で換装しているという。この信管は「ジャイロスコープや加速度計、磁気計を備え、地雷が踏まれたり動かされたりすると起爆させる」とCITは説明している。
ジョニーは「装甲車両、あるいは武器を携行したり防弾服を着たりした兵士が近くを通った際にも作動する」という。米掲示板サイトのレディットには、ウクライナ東部バフムート近郊で最近、ロシア兵がドローンから落とされたPTM-3を拾い上げようとして起爆させてしまい、吹き飛ばされる様子を捉えた凄惨な動画が掲載されている。
ウクライナ東部ハルキウ州シンキウカを防御するウクライナ軍の旅団は先月、ロシア軍の機甲部隊による攻撃を立て続けに7回も受けたが、その合間に非常に重要な地雷原に地雷を補充していた。これもドローンのなせるわざだったのかもしれない。