キャリア

2024.01.02 10:30

AI時代にこそ重宝される 「プロマネ」人材になるための5つの武器

プロジェクト推進の過程では、時間制限のあるなかで、いくつもの初めて直面する課題や前例のない重要な決断が待っています。しかし、DXや変革プロジェクトに苦戦している多くの企業では、このプロジェクトから派生する複雑難解な課題や判断に対応できる、意思決定のためのレポートラインが組まれていないことがよくあります。

ありがちなのが、意思決定を日々の業務報告会議に混ぜてしまったり、反対に都度必要になってから関係者を緊急招集したり……。

通常業務よりはるかに高度な判断が求められるにもかかわらず、意思決定プロセスがずさんすぎるのです。

私がDXプロジェクトのアドバイザリーをする際に、真っ先に取り組むのが、この意思決定のためのデザイン。必要な意思決定の会議体の設置を、アドバイザリー契約条件に入れてもらうこともあるぐらいです。そうしないと、決めるべきことを決められず、DXは進まないのです。

進捗報告や課題対応の議論だけでなく、意思決定をいかにして企業組織内で適切、建設的に行えるようにするか。会議体(分科会含む)やそれに必要なメンバー、開催頻度、事務局といったことをデザインするのが、プロジェクトの第一歩です。

2. アジェンダマネジメント 

次は、その会議の中身、つまり適切なアジェンダが設定されていることが大切です。

皆さんの会社の会議に、ちゃんとアジェンダはありますか?

ともすると、

・「〇〇の説明」「□□の報告」「XXの共有」といったアジェンダが形式的に羅列
・「△△の件」のようなざっくりしたテーマで大量の関係者が集められる

こうした状況で、結論も出ないまま、ただ時間を(それと資料作りに!)消費していませんか?

「説明しました」「報告しました」というアリバイづくりに、多数の関係者を集め、大量の説明を垂れ流し、「説明に良いとも悪いとも言われなかった=決定済み」という怪しい空気感でプロジェクトを推し進めると、必ずどこかで空中分解します。

会議開催の最終目的は、プロジェクトにかかわる精度の高い意思決定を行うことです。そのために、必要な内容や状況をインプットし、そしてさまざまな視点から議論を尽くすことが欠かせません。

そのために、プロジェクトの進度に応じ、会議体のアジェンダを事前に練って、組み立てるのが、アジェンダマネジメントです。

意思決定のための会議体のアジェンダに並ぶべきワードは、何より会議者による「決定」「討議」「確認」。そして、そのための材料として「説明」「共有」「報告」などが行われるべきなのです。

私の場合、会議の冒頭に必ず、今日のアジェンダをしつこいぐらい(特に最終決定事項を)念押しします。また会議終了後は、事務局など関係者に残ってもらい、次の会議のアジェンダをその場で固めてしまいます(←重要)。

意思決定の会議で、プロジェクトの重要事項について正しい決断をし、プロジェクトを前に進める。ぜひ、この意識を持ってアジェンダマネジメントにチャレンジしてみてください。

眠かっただけの会議が、見違える場になります。

後編:プロジェクトマネジメントの極意 「誰が何と言ったら勝ちか」


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文=植野大輔

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