欧州

2023.12.27 12:30

待望のF-16戦闘機がいよいよウクライナへ 防空強化に期待

F-16戦闘機(Shutterstock.com)

APG-66型からAPG-83への換装は数日で可能だが、新たな戦闘機を至急必要としているウクライナがわざわざそうしようとするかは疑問だ。APG-83が1台200万ドル(約2億8000万円)以上するのを考えればなおさらだろう。
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ウクライナ空軍が保有しているMiG-29、Su-27両戦闘機は計100機足らずと考えられる。1980年代に開発されたこれらの戦闘機によって、ウクライナ空軍はロシア軍の軍用機やドローン(無人機)、ミサイルから自国を守っている。米国は、ウクライナがMiG-29やSu-27に米国製の滑空爆弾や対レーダーミサイルを搭載できるようにするのを支援してきた一方で、両戦闘機の空対空能力を向上させるようなことは一切してこなかったとみられる。

ウクライナは、空でより有利に戦うために、新たな戦闘機を必要としている。F-16が必要なのだ。

F-16は旧ソ連式の戦闘機よりも操縦しやすく、効果的なレーダー警戒・妨害システムも装備する。また、搭載するAIM-120空対空ミサイルは、そのモデルにもよるが、条件が整っていれば80km以上先の空中目標を追尾して発射できるだろう。
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射程はMiG-29やSu-27から発射されるR-27ミサイルより数十km長いかもしれない。

ただ、ロシア空軍最高の迎撃機であるMiG-31、Su-35両戦闘機は、R-37ミサイルで約130km以上先の空中目標を迎え撃つことができる。そのためウクライナ空軍のF-16のパイロットは、これらの戦闘機に対しては交戦よりも回避を選択するかもしれない。

だが、ロシア軍のほかの戦闘機やミサイル、ドローンを相手にする場合は、F-16はMiG-29やSu-27よりも格段に優秀だ。

オランダから供与されるF-16は、長い就役期間中に機体疲労がかなり蓄積している。それでも、少なくとも数年間はウクライナ空軍の防空能力を大幅に増強してくれるはずだ。

「F-16があれば、ウクライナは自国をロシアの攻撃からより効果的に防衛できる」。オランダのカイサ・オロングレン国防相はそう期待を示している

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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