GURはテレグラムへの投稿で、ウクライナ北東部ハルキウ州クピャンスク近くに展開するロシア兵が「ネズミ熱」によって「ばたばたと倒れている」と説明した。症状には激しい頭痛や発熱、発疹、低血圧、吐き気、嘔吐、目からの出血があり、初期症状はインフルエンザに似ているという。腎臓にも影響を及ぼし、感染者は腰に激しい痛みを感じ、排尿困難になるとも説明している。
げっ歯類の排せつ物のほこりを吸い込んだり、汚染された食べ物を口にしたりすることで感染するとされる。GURは、この病気に関する兵士からの訴えが、ロシア軍の司令部から戦闘任務を回避するための口実だとみなされ、無視されていると指摘した。
ロシア軍で病気がまん延しているとの情報の信ぴょう性は確認されていない。フォーブスはロシア国防省にコメントを求めたものの、回答はなかった。
GURは病気の正体を特定していないが、ウイルス性だと説明している。このことや感染経路、症状を踏まえると、腎症候性出血熱(HFRS)の可能性がある。
米疾病対策センター(CDC)によると、HFRSはハンタウイルスによって引き起こされる。呼吸器系の感染症を引き起こすこともあるハンタウイルスは、げっ歯類が媒介。その排せつ物や唾液が、傷口や目、鼻、口の粘膜に直接触れたりすることで感染する。
特別な治療法や薬、ワクチンなどはなく、「ハンタウイルス感染の第一の予防策はネズミの駆除」だという。ハンタウイルス感染の致死率は、ウイルスや感染症の種類により1%未満〜38%と幅がある。
また、複数の報道機関によると、ロシア軍で広がっている病気は鼠咬(そこう)症である可能性もある。感染経路はHFRSと似ており、症状は発熱、嘔吐、頭痛、筋肉痛、関節痛、発疹など。CDCによると、重症化したり、死に至ったりする可能性もあるという。
(forbes.com 原文)