欧州

2023.12.19 09:00

ウクライナ、新設の戦車旅団にレオパルト1A5戦車を配備

Sean Gallup/Getty Images

Sean Gallup/Getty Images

ウクライナ軍が編成したばかりの戦車旅団は、どうやら最新の戦車を運用しているようだ。
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最新というのは、ウクライナが新たに入手した戦車という意味だ。

ウクライナ軍に関するオープンソース・インテリジェンス(OSINT)のアグリゲーターであるミリタリーランドが12月13日にX(旧ツイッター)に投稿した映像には、ウクライナ軍の戦車兵が今年の秋にドイツで同国製のレオパルト1A5戦車で訓練している様子が映っている。

「興味深いことに、撮影者はこのグループが第5戦車旅団に所属していると主張している」とミリタリーランドは指摘した。
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レオパルト1A5と米国製のM1エイブラムス戦車は、今秋ウクライナに到着し始めた。前線に配備された最新の西側製の戦車だ。

公式には、第5戦車旅団はウクライナ中部のクリビーリフに駐屯している。実際には、同旅団は数カ月前までほぼ存在せず、ようやく新兵の訓練を開始したところだった。

第5戦車旅団がようやく編成されるまで、ウクライナ軍が擁する戦車旅団はわずか4個だった。ウクライナ軍の100個ほどの地上戦闘旅団の大半は、少なくとも数両の戦車を保有している。通常、中隊や大隊はそれぞれ10数両から30両の戦車を運用するが、戦車旅団だけは1つの指揮下に多くの戦車を持つ。

ウクライナ軍が第5戦車旅団にレオパルト1A5を十分に配備すれば、ドイツ、オランダ、デンマークの3国が共同でこれまでにウクライナへの軍事支援として供与を約束していた約200両の戦車のうち、半数以上を同戦車旅団で運用することになる。

重量40トン、乗員4人のレオパルト1A5は、1960年代に生産が始まったレオパルト1を1980年代に改良したものだ。乗員らはレオパルト1A5の優れた機動性と、精度の高い105mm主砲の高速な射撃管制を称賛している。

だがレオパルト1A5には1つ大きな欠点がある。装甲が薄く、最も厚いところでもわずか70mmしかないのだ。ウクライナでの戦争に投入されている主要戦車の中で最も防御力が低い。

レオパルト1A5に追加の防御が必要であることをウクライナ軍がそれまでに認識していなかったとしても、レオパルト1A5を初投入した戦闘はその必要性を強く思わせるものだった。最初に供与された数十両のレオパルト1A5は、すでにウクライナ東部に配備され、第44機械化旅団の大隊に装備されている。

同旅団は11月末、1両のレオパルト1A5を危うく失うところだった。この戦車はどうやら地雷を踏んで動けなくなったところを、ロシア軍の砲撃にさらされた。ウクライナ軍は修理のために損傷したその戦車を回収したと伝えられている。
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翻訳=溝口慈子

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