解決とは、爆発反応装甲(ERA)の追加を意味するようだ。ある戦車兵は「私が知る限り、強力な追加防御を施す計画がある」とICTVに語った。ERAの層は火薬が炸裂するタイプの強力な弾丸に対してレオパルト1の防御力をおよそ倍に高める可能性がある。
第5戦車旅団を装備することで、ウクライナ軍は戦力構成に強力な攻撃力を加えることになる。だがウクライナ軍がこの新しい攻撃力をいつ使うのかわからず、その機会があるのかどうかさえも不明だ。ロシアがウクライナに対して仕掛けた戦争の約1000kmにわたる前線の全域で、ウクライナ軍は防衛態勢にシフトしている。
今年前半になんとか編成した予備の戦闘部隊をすべて投入した夏の反攻作戦が一段落した後では、そうせざるを得ない。
新たに編成した戦車旅団1個と、今のところ装備不足の5個の機械化旅団を加えても、2024年に攻勢をかけるための戦闘力としてはおそらく十分ではない。ウクライナ軍は今年の攻勢のために、十分に装備した旅団を少なくとも12個編成した。
さらに重要なことに、ウクライナ軍は、ロシア軍のドローン(無人機)を飛行不能にし、ロシア軍が地雷をばら撒いた野原を進むルートを確保するためには、新しい電子戦装備と地雷除去装備を多く手に入れ、それらを活用する計画を立てなければならない。
ウクライナ軍のワレリー・ザルジニー総司令官は11月に、同盟国からこれらの特殊装備を大量に確保することが最優先事項のひとつだと指摘した。
だが、米連邦議会の親ロシア派の共和党議員が妨害をやめ、ウクライナ支援に追加で610億ドル(約8.7兆円)を注ぐというジョー・バイデン大統領の提案を承認しない限り、こうした装備の購入はおそらく不可能だろう。
戦争を行っている軍なら、運用するのがたとえ軽装備の戦車であっても、新しい戦車旅団は1個でもほしい。だが、ウクライナ軍の第5戦車旅団は単独では大したことはできない。
(forbes.com 原文)