欧州

2023.12.13 10:00

ウクライナ軍、レオパルト1A5戦車の装甲を強化中

Sean Gallup/Getty Images

ウクライナ軍はようやくドイツ製のレオパルト1A5戦車に爆発反応装甲(ERA)を追加している。ちょうどいいタイミングだ。同軍は新たに5つの機械化旅団を編成中で、これらの旅団はおそらく戦車が必要となる。

重量40トン、乗員4人のレオパルト1A5は、1960年代に生産が始まったレオパルト1を1980年代に改良したものだ。これまでにドイツ、オランダ、デンマークの3カ国は共同で、200両近くのレオパルト1A5をウクライナに供与することを約束している。ウクライナ軍が運用する西側製の戦車の中で、レオパルト1A5は最多のものになる見込みだ。

悪い戦車ではない。乗員らはレオパルト1A5の優れた機動性と、精度の高い105mm主砲の高速な射撃管制を称賛している。だが、レオパルト1A5には1つ大きな欠点がある。装甲が薄く、最も厚いところでもわずか70mmしかないのだ。

比較的新しいレオパルト2A4は、レオパルト1A5と同じ射撃管制が搭載されているが、重量は数十トン重く、より大型の主砲を備え、レオパルト1の数倍の装甲を誇る。それでもロシア軍の対戦車兵器に対しては脆弱(ぜいじゃく)だ。

レオパルト1A5に追加の防御が必要であることをウクライナ軍がそれまでに認識していなかったとしても、レオパルト1A5を初投入した戦闘はその必要性を強く思わせるものだった。最初に供与された数十両のレオパルト1A5は、すでにウクライナ東部に配備され、第44機械化旅団の大隊に装備されている。

同旅団は11月末、一両のレオパルト1A5を危うく失うところだった。この戦車はどうやら地雷を踏んで動けなくなったところを、ロシア軍の砲撃にさらされた。ウクライナ軍は修理のために損傷したその戦車を回収したと伝えられている。
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翻訳=溝口慈子

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