欧州

2023.12.12 12:30

ウクライナ、機械化旅団を5個新設も装甲が薄い古い戦闘車両が配備される可能性

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ウクライナ軍は新たに5個の機械化旅団を編成している。計画では第150、151、152、153、154機械化旅団は大きな戦力となり、同軍の地上部隊を5%拡大させる。実際には、戦闘力に明らかに影響をおよぼす、装甲が薄い車両に乗ることになるかもしれない。

これら新設の旅団は、既存の旅団から経験豊富な将校や下士官ら幹部を集め、2000人ほどの兵士は新兵だと伝えられている。はっきりしないのは、これらの旅団が武装が軽めな軽歩兵旅団ではなく機械化旅団となるための装備、つまり歩兵戦闘車をどこから調達しているのかということだ。

ウクライナ軍は、新旅団の編成について必ずしも公にしないわけではない。ソーシャルメディアのアカウントを持っている旅団もあり、新兵が訓練しているところをとらえた写真も何枚か公表している。だが、どの写真にも旅団所属の車両は写っていないようだ。いくつかの写真には装軌式の古いBMP-1戦闘車が写っているが、おそらくその車両は訓練部門のものだろう。

要するに、写真に写っているBMPは訓練中の新兵を塹壕に送り込んでいるように見える。ロシア軍、ウクライナ軍ともに、新兵に敵の装甲車との近接戦の光景や音そしてかなりの恐怖を体験させるためにこの手法を取っている。

BMPがおそらく訓練部門のものだからといって、新設の機械化旅団の兵士が1960年代に生産されたBMPに乗ることはないとは限らない。というのも、おそらくウクライナにはまだ何百両ものBMPが予備としてあるからだ。

だが、兵士らはきっと、この旧ソ連製の戦闘車両が自分たちに割り当てられる車両でないことを願っている。重量15トン、乗員と歩兵合わせて11人が乗り込めるBMP-1は装甲が薄い。BMPシリーズの車両が被弾すると「乗員全員が死ぬ」とウクライナ軍の退役軍人ミコラ・メリニクは指摘した。
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翻訳=溝口慈子

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