作業内容に合った音楽を選ぶ
注意点としては、やろうとしている作業と競合しない音楽を選ぶことだ。たとえば文章を書く、プレゼンの準備をするなど、言葉を中心とした作業では、歌詞のない曲を聴くほうがいい。一方、新しいグラフィックの作成といった非言語的な作業の場合は、歌詞があっても気にならないかもしれない。この知見は科学誌『Applied Acoustics』掲載の論文に基づいている。この研究では、耳に入ってくる音声の内容を20%理解できるとパフォーマンスが落ちる可能性があり、理解度が30〜50%になるといっそう激しく低下することがわかった。これはオフィスで聞こえる会話だけでなく、歌詞にも当てはまる。
一方、集中力を必要とせず無心になれる作業に携わっている間は、楽しくないことから心を切り離せるような、気が紛れる音楽を選ぶのもいい。専門誌『Psychology of Sport and Exercise』掲載論文によれば、そうすることでパフォーマンスも気分も向上するという。
つながる音楽を選ぶ
少なくとも誰かと一緒に聴く音楽は、他の人とつながれるものを選びたい。音楽は好き嫌いが分かれやすく、たとえばカントリー音楽は、Cloudcover Mediaの調査で大好きだと答えた人もいれば、ひどく気が散ると回答した人もいるジャンルだ。誰もが好ましいと感じる曲を選ぶようにして、意見の対立を招いたり人の神経を逆なでしたりするプレイリストは避けたほうが賢明だ。また、音楽には共通の体験を呼び起こす力があり、絆を深めるのに効果的だ。同僚が同世代で、高校時代に流行していた曲を覚えているなら、互いの当時を知らなくても通じ合える部分があり、人間関係の活性化につながる。
さらに、音楽は記憶の共有にも関わっている。仲間とのボランティア活動中や、大事な客先との打ち合わせに向かう長距離ドライブ中に一緒に聴いた音楽は、そのとき共有した関係性や経験の思い出と結びつき、絆の強化に役立つ。
よく聴く
総合的には、自分にとって最も効果的な音楽を厳選することだ。曲やプレイリストが好きだから聴くだけでなく、取り組んでいる作業にどう影響するかを認識しよう。音楽がうまく機能する人もいれば、生活や仕事の中に静寂を求める人もいるだろう。(forbes.com 原文)