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2023.12.17 14:00

音楽は生産性を高める 作業用BGM10選と、科学に基づく選曲のコツ

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好きな曲を選ぶ

自分が選曲権を握っていたり、ヘッドホンを使っていたりすれば当然、好きな曲を選びがちになるが、耳になじんだ音楽を繰り返し聴くことには強力なメリットがある。これは「再消費」と呼ばれる行動で、専門誌『Journal of Consumer Research』に掲載された論文によると、より大きな情動反応や記憶を呼び起こし、他者とのつながりを深め、達成したい体験(感情、活力レベル、雰囲気)への近道になりやすい。
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英キール大学が英国心理学会で発表した研究結果によれば、聴きなじみがあるだけでなく、お気に入りの曲を選ぶこともパフォーマンス向上につながる。気に入った音楽を聴くと、やる気、集中力、楽しさが増し、骨折り感や疲労感は軽減するなど、あらゆる面でプラスの効果がみられたという。

米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された研究論文では、音楽が脳の報酬中枢を活性化させるため生産性が上がると説明されている。特に、斬新な和音や転調の瞬間を耳にすると脳の報酬中枢の働きが活発になるという。

ビート&ベースを選ぶ

テンポが速く、安定したビートを刻む曲を選ぶことも生産性向上の一策だ。英ブルーネル大学のコスタス・カラゲオルギス教授の主導する研究によれば、人は音楽に合わせて体を動かす傾向があるため、ビートに乗り、音の流れに同調して努力を途切れさせないようにすれば、生産性、モチベーション、持久力にプラスの影響が生まれるという。

また、テンポがよく変わる曲よりも、ビートの安定した曲の方が生産性は上がる。米国立生物工学情報センター(NCBI)の研究では、音の変化が大きいほど気が散りやすいことが明らかになった。これは周囲の会話にも当てはまり、単調な音は無視しやすいが、音量やトーンが上下し抑揚が大きいと邪魔になる。音楽を聴きながら仕事をする場合も同様だ。生産性を高め、注意散漫にならないよう、安定したビートの曲を選ぼう。
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音のトーンも重要だ。学術誌『Social Psychological and Personality Science』に掲載された論文によると、低音を多用した音楽を聴いた人は、力強さと統制力が増したように感じる傾向がある。いずれも生産性向上を目指す際の能力と効果の感じ方に影響する。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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