ここで、ウクライナが支援国からおよそ200両の供与を確約されているレオパルト1A5について考えてみよう。
レオパルト1A5はたしかにT-62ほど古くない。かといって新しい戦車というわけでもない。それでもレオパルト1A5は4人の乗員にとって快適であり、しかも欧州の整備士たちによってしっかり整備されている。デンマークの戦車教官は、850馬力のディーゼルエンジンを搭載したレオパルト1は「走行に適している」とも評している。
レオパルト1A5の良好な状態や人間工学面での配慮のおかげで、この戦車の乗員たちは戦いやすくなっている。さらに言えば、そうした状態や仕様は、乗員たちが厳しい条件の下で、連日、あるいは何週にもわたって戦い続ける助けにもなっている。とりわけ雨や雪、寒さ、泥といった条件の下でだ。
ロシア軍のT-62の乗員たちは昨年、ウクライナ南部で激しい抵抗に遭うや、次々と戦車を乗り捨てた。窮屈で、居心地が悪く、修理も行き届いておらず、現代的な無線といった基本的な装備も欠いた戦車なら、無理のない判断だとも言える。
ウクライナ軍のレオパルト1A5の乗員たちは、それほど簡単には戦車を乗り捨てないだろう。たしかに、ウクライナ東部で第44独立機械化旅団の所属とみられるレオパルト1が1両、すでに遺棄されたことは確認されている。しかし、乗員たちが脱出したのは、戦車が地雷を踏んだかして動けなくなり、砲撃にさらされたあとのことだった。
レオパルト1はおおむね状態が良い半面、大きな欠点が少なくとも1つあるのは事実だ。装甲がとんでもなく薄いのだ。レオパルト1の装甲は最も厚い部分でも、T-62の最上の装甲に比べると半分ほどしかない。
レオパルト1A5を中で過ごしやすいだけでなく、生き延びやすくもしていくために、ウクライナ軍はロシア軍が最近T-62に施しているのと同じことをすべきだろう。つまり、爆発反応装甲や鳥かご装甲、地雷除去具などの追加をこの戦車で優先して進めるべきだ。
(forbes.com 原文)