ギリシャ紙カティメリニによると、米政府はウクライナ向けに砲弾7万5000発を4700万ドル(約69億円)で購入することをギリシャ政府と交渉している。内訳は105mm砲弾5万発、155mm砲弾2万発、203mm砲弾5000発だ。
そのうち最も興味深いのが、最も大きな203mm砲弾だ。この砲弾が入手できれば、ウクライナ陸軍は巨大な2S7自走カノン砲をもう少し長く使うことができる。
装軌式の2S7は、ロシアがウクライナに仕掛けた戦争で双方が使用するものの中で最大の大砲だ。重量50トンの2S7をウクライナ軍で唯一運用する第43砲兵旅団は多くの2S7を保有しているが、砲弾が足りない状況にある。
ウクライナ軍は1991年のソ連崩壊時にソ連軍から約100門の2S7を受け継いだ。ウクライナはそのうちの約20門を売却。残りは、同国軍がりゅう弾砲を小口径のものに統一したため、倉庫行きとなった。
2014年にロシアがウクライナ南部クリミア半島に侵攻したことで、すべてが変わった。ウクライナ軍は埃をかぶっている国内各地の倉庫を開け、古い兵器を多く引っ張り出した。その作業はロシアが昨年2月に再びウクライナに侵攻すると加速した。
ウクライナ軍は当初、十数門ほどの2S7を復帰させ、侵攻から最初の6週間にわたり首都キーウの防衛に役立てた。2S7は、前方にいる監視員の合図や、ロシア軍部隊が通過するのを見かけた愛国心のある民間人から時々もらう電話によって発射された。
一方で、まだ保管されていた70門ほどの2S7の多く、あるいはすべての修復が進められた。ウクライナ軍の砲手たちはいま、修復された2S7を使い、ドローン(無人機)からの合図に従って砲撃を行っている。
⚡️A pair of 🇺🇦Ukrainian 203-mm most powerful self-propelled guns 2S7 "Pion" strike 🇷🇺Russian positions pic.twitter.com/UMdWt1mO0N
— 🇺🇦Ukrainian Front (@front_ukrainian) November 27, 2023