同世代との新しいコラボレーションから見えたもの
2022年にReiがリリースした9作目の「QUILT(キルト)」は、デビューアルバムの「BLU」をプロデュースした音楽家の長岡亮介やYMOの細野晴臣など、Reiが日ごろから親交を温めるミュージシャンが数多く参加した華やかなアルバムだ。新作VOICEでもReiがさまざまなミュージシャンとのコラボレーションに挑んだ。オープニングを飾る『Love is Beautiful』は気鋭のミュージシャン、キャメロン・ルーによるプロジェクト Ginger Rootとの共同プロデュースにより生まれた。秋の日の何気ない陽だまりのように温かくてラブリーな楽曲だ。
「VOICEは私自身のパーソナリティーに焦点をあてた作品にしたくて、レコーディングには石若駿さん、WONKの荒田洸さん、OKAMOTO'Sのハマ・オカモトさん、SuchmosのTAIHEIさんをはじめ同世代のミュージシャンに参加していただきました。意外な面々のように見えるかもしれませんが、私としてはとても気心の知れた仲間たちと作った感覚があります」
Reiは作曲をする際にはいつも同世代のオーディエンスを意識しているのだという。新作でもまた自身が日々リアルに感じていることを、なるべく等身大のサイズ感で赤裸々に描くことを心がけた。
「私が尊敬するアーティストの矢野顕子さんは米国のニューヨークを活動拠点にされていますが、毎年末には日本で『さとがえるコンサート』を開催しています。矢野さんを応援しながら、いっしょに年を重ねてきたお客様とつくるライブの景色ってすごくすてきだなと思っていて。自分と同世代の同じ感覚を持った方々に私の音楽を好きになってもらって、いっしょに成長していくことに憧れを抱いています。もちろん、音楽をたくさん聴いてきた人生の先輩方に応援していただけることも何より光栄です」
ブルースミュージックにルーツを持ち、ジャンルを超えて独自の音楽を創作・発信してきたReiのライブには、実際のところいつも幅広い年齢層のファンが集まる。