音楽

2023.12.04

音楽生成AIの米Boomy、ワーナーミュージックと提携 音楽業界にも新たな動き

(C)X @boomy

生成AIテクノロジーを駆使して、短時間でオリジナルの楽曲を制作することを可能にするプラットフォームのBoomy(ブーミー)は11月29日、ワーナーミュージック・グループ傘下のADAワールドワイドとディストリビューション契約を結んだことを発表した。

この動きは、デジタル技術を活用した楽曲制作の民主化を示唆するもので、音楽業界における生成AIの導入の先行事例となるものでもある。

ニューヨークを拠点とするBoomyのプラットフォームは、あらゆるレベルのアーティストが、高価な楽器やスタジオの利用料といった従来の制約にとらわれずに、オリジナル曲を制作し、共有できるようにしている。

今回の新たなパートナーシップの恩恵を受ける最初のアーティストとしては、デンバーを拠点とするラッパー兼サウンドエンジニアのJelieや、ボストンのプロデューサー/ビートメイカーのLightfoot、ドイツのハープ奏者のKatirha、ニューヨークを拠点とするラッパーのPaperboy Princeなどが挙げられる。これらのアーティストはAIを駆使した楽曲で知られており、Paperboy Princeのインスタグラムのフォロワーは5万人を超えている。

これらのアーティストは、Boomyで制作した楽曲をSpotifyやApple Music、TikTokなどの主要プラットフォームで配信可能になる。今回の契約は、レガシーな音楽業界のプレイヤーがBoomyのビジネスモデルを支持した結果であると同時に、AIと人間のクリエイティビティの融合が新たな動きを音楽業界にもたらすことを示している。

Boomyの共同創業者でCEOのアレックス・ミッチェルは「このパートナーシップは、Boomyのアーティストが新たなオーディエンスにリーチし、彼らの音楽の作り方や共有の仕方を知らせるためのすばらしい機会になるだろう」と声明で述べている。

音楽業界ではここ最近、生成AIの使用が物議を醸す場合も多いが、Boomyの新たな契約は、生成AIの可能性を前向きに捉えるよう、業界が変化しつつあることを示している。

Spotifyのダニエル・エクCEOは、9月の音楽メディアmixmagの取材に、同社が生成AIを用いて制作された音楽の波を受け入れており、そのようなコンテンツを禁止する計画はないと述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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