2. 幻覚剤の効果は研究者にも被験者にもすぐにわかる
二重盲検法は、誰が実際の治療を受け、誰がプラセボを受けているかを、被験者と研究者のいずれも知ることがないよう徹底するもので、研究における不可欠な手法だ。この方法は先入観を取り除き、研究結果の妥当性を確保するために用いられる。しかし幻覚剤の研究は、このことに関して特有の課題をもたらす。幻覚剤は比較的すぐ目に見える効果を示すため、被験者にとっても研究者にとっても、本物の薬が投与されたことが明白になる。幻覚剤のよく見られる効果として知覚の変化があり、たとえば色が明るく見える、音が大きく聞こえる、強い連帯感や深い内省を感じるときには視覚的、聴覚的な幻覚を経験することもある。
この意識が被験者の体験と研究者の観察の両方に影響を与えて結果を歪める可能性があり、幻覚剤治療の真の効果を客観的に評価することを困難にしている。
3. 幻覚剤が働く仕組みはまだ正確にわかっていない
幻覚剤がどのようにメンタルヘルスに役立つのかを正確に把握することは容易ではない。アイデアはたくさんある。たとえば、脳が新しいつながりを形成するのを助け、私たちが思考を処理する方法を変化させ、時には硬直した思考パターンを打ち砕くという説がある。しかし、問題は薬そのものだけではない。薬がさまざまな種類の会話療法と連携してどのように、なぜ働くかを知る必要がある。これはパズルのようなものであり、それらの薬がどうやって心を癒やすのかを説明するためにはさらなる研究が必要だ。幻覚剤が脳と相互作用する基本的な仕組みを研究することによっても、誰が幻覚剤療法を受けられ、誰が受けられないかを決めることができるだろう。
結論
幻覚剤の研究において、ある程度簡単な問題に取り組むことは可能だが、難しい問題になると、幻覚剤を信頼できる治療の選択肢として、確信を持って推奨する上で大きな問題をもたらす。この有望な分野の探究を続けていくためには、用心深く進めていくことが何よりも重要だ。患者に継続的な悪影響が残る可能性があるという事実は、幻覚剤療法を評価し、広めていくためには、厳しい科学的精査と公平で注意深いアプローチが必要であることを強調している。
(forbes.com 原文)