それから1年10カ月。この間、同軍は少なくとも4機のハインドを作戦中に失い、同盟国から少なくとも28機のハインドが供与された。
ウクライナ軍は多くのハインドを保有しているように見えるかもしれない。だが、戦前の保有数から損失分を差し引き、供与分を足した数字がすべてを表しているわけではない。戦争が長期化するにつれ、航空支援の需要は急激に増えている。ハインド60機でも足りない。
ウクライナの技術者たちがこの1年10カ月のどこかの時点で、かなり珍しい、そして最も奇妙なハインドの派生型を保管庫から引っ張り出して改造したのもそのためだ。登場したのは、ハインドG1放射能偵察型だ。
先週、機体にウクライナ国旗の色が施されたハインドG1の映像がネットに投稿された。1986年にウクライナ北部のチェルノブイリで原発事故が発生した際、ソ連が対応の一環としてハインドG1を初めて運用して以来、これまでに公開された数少ない映像の1つだ。
⚡️🇺🇦Ukrainian attack helicopter Mi-24P pic.twitter.com/IDTh8els8v
— 🇺🇦Ukrainian Front (@front_ukrainian) November 4, 2023
乗員4人のハインドG1は、コックピットに2人、後部に2人乗り込む。対戦車ミサイルシステムの代わりに、空気取り込み装置や土壌をすくい上げるためのかぎ爪、サンプル分析装置を備えている。機首には機関銃、翼下にはロケット弾ポッドもある。
旧ソ連軍が1991年にウクライナから引き上げた際、ウクライナ軍がハインドG1を何機か受け継いだことは知られている。だが昨年時点でG1はウクライナ西部の第57航空基地に、飛行できない古い他のヘリといっしょに保管されていたと報じられている。
ウクライナ側がハインドG1を本来の放射能検出の役割のために再稼働させたとは考えにくい。それよりも、潜在的な攻撃能力のためにハインドを求めた可能性の方が高そうだ。技術者らはこのヘリの誘導ミサイル発射能力を復活させたのだろうか。
ハインドG1が原子力事故後の偵察プラットフォームとして、設計上の役割を初めて果たしてから数十年が経つ。そのハインドG1が戦闘に投入されたのかは、わずかな証拠からは明らかではない。
(forbes.com 原文)