欧州

2023.11.07 11:00

ロシア軍ドローン操縦士、レオパルト2戦車の破壊を目撃 脱出乗員を見失う

Karolis Kavolelis / Shutterstock.com

ウラジーミルの略称である「ヴォヴァ」という名のロシア軍のドローン操縦士は、自軍の歩兵が珍しいことにウクライナ軍の貴重なレオパルト2A6戦車の1両に一撃を加えて破壊するのを間近で目撃した。

ロシアがウクライナに侵攻して1年9カ月近く経つが、戦車の損失のほとんどは2段階攻撃によるものだ。まず、地雷や爆発物を搭載したドローンが戦車を動けなくする。そして大砲やドローン、あるいはその両方が止めを刺す。

ウクライナ軍は同盟国からこれまでに71両のドイツ製レオパルト2を受け取り、うち約13両を失った。損失の大半は地雷とドローンによるものだ。

だがおそらく先週、ウクライナ東部ドネツク州アウジーイウカ郊外でレオパルト2A6を動けなくして破壊したのは、どうやら地雷やドローン、大砲ではなかったようだ。前述のヴォヴァは、発射物がレオパルト2A6の側面に突き刺さるのを空中停止させていたドローンのカメラ越しに目撃した。2000年代に入って生産が始まったレオパルト2A6は、古いタイプのレオパルト2派生型より装甲が厚く、砲身の長い強力な主砲を搭載している。

「戦車はロケット推進式てき弾(RPG)にやられたと思う」とヴォヴァは無線チャンネルでつぶやいた。RPGは携帯式のロケット弾で、使うには標的に近づかなければならない。タンデム弾頭を搭載する最新のRPGが正しい角度で標的に命中すれば、戦車を破壊することができる。

確かに、何かが戦車に激しくぶつかった。ドローンの映像には、レオパルト2A6から煙と炎が広がる様子が映っている。戦車は損傷しただけでなく、おそらく破壊されたことがすぐさま明確になった。

「レオパルトがやられたぞ!」とヴォヴァは叫んだ。「レオパルトが初めて粉砕された!」

レオパルト2に関しては、損傷と破壊を区別することが本当に大事だ。レオパルト2は残存能力が高い。地雷やドローンはレオパルト2を完全に破壊するのではなく、動けなくする。ウクライナ軍の工兵らは何カ月もレオパルトを扱っており、損傷したレオパルトを回収して修理のためにポーランドやドイツに送ることに慣れている。

10月下旬の攻撃直後の写真や映像を見ると、レオパルト2A6の内部が焼けたようだ。このレオパルトは、ウクライナ軍が5カ月ほど前に開始したウクライナ南部の反攻作戦の数週間前に第47機械化旅団に装備された21両のうちの1両だ。
次ページ > 戦車はウクライナ軍が何よりも必要としているものではない

翻訳=溝口慈子

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

ForbesBrandVoice

人気記事