攻撃を受けたこのレオパルト2A6は、ウクライナ軍が失った13両目のレオパルト2かもしれない。 懸念されるのは、これらの損失の半分がここ数週間で発生している点だ。この間、第47旅団はロシア軍の攻撃からアウジーイウカを守るために南部から北部に再配置され、同時にレオパルト2A4を装備した第33機械化旅団が南部の反攻で主導的な役割を担うようになったようだ。
13両のレオパルト2の損失はウクライナ軍にとって残念なことだが、全体的な視点で状況をとらえることが大事だ。ウクライナは英国から14両のチャレンジャー2戦車、米国から31両のM1エイブラムス戦車、その他の同盟国から数百両のT-72など旧ソ連式の戦車を手に入れている。そして追加で14両のレオパルト2A4と、200両近くのレオパルト2より軽量のレオパルト1A5が、損失補てんとしてウクライナに供与されることになっている。
戦車はウクライナ軍が何よりも必要としているものではない。戦車不足より、防御力の高い歩兵戦闘車両やドローン、防空システム、砲弾の不足の方がはるかに問題だ。
ロシア軍ドローン部隊のウラジーミルの仲間の1人は、この事実をよく理解しているようだ。燃えているレオパルト2A6から脱出している乗員に向かってヴォヴァが罵声を浴びせると、この仲間は「ヴォヴァ、声が大きい」と無線越しにたしなめた。「レオパルトはまだたくさんいる」
レオパルト2A6の乗員4人全員が偶然に近い車両への攻撃を免れたことは、この戦車の設計が基本的に堅牢なものであることを物語っている。ヴォヴァのドローンが見守る中、第47旅団の米国製M2ブラッドレー歩兵戦闘車の1両が急いで駆けつけ、脱出した乗員を拾って駆け去った。
「ウクライナ軍は戦車の乗員を拾った。その車両を見失った」とヴォヴァは嘆いた。
(forbes.com 原文)