Strv122とCV90、Bgbv90は第21機械化旅団に装備された。だが、アーチャーは含まれていなかった。スウェーデンがアーチャーの供与を約束してから10カ月。ようやく前線に投入されているアーチャーの写真がある。アーチャーは自走式で、155mm砲を搭載している。
写真には第45砲兵旅団の砲手らが写っている。同旅団は、ウクライナ東部のクレミンナの森とその周辺で、ロシア軍の攻撃をしのいでいる部隊を支援している。
これらの部隊にはかつて第21機械化旅団も含まれていた。だが、同旅団は最近、北東部ハルキウ州のクピャンスクを防衛するために北に移動した。
8門のアーチャーを運用する第45旅団は現在、ロシアがウクライナに仕かけた1年10カ月におよぶ戦争において最も正確かつ迅速な火力支援を提供することができる。
アーチャーについてスウェーデン政府は「迅速に移動させることができ、すばやく発射できる。砲の精度も高い大砲システムだ」と説明。「ウクライナは長らく供与を要望していた」とも述べた。
アーチャーはスウェーデンの兵器メーカー、ボフォースが手がけた砲塔つきのFH77 155mmりゅう弾砲を、改造され装甲が追加された同じくスウェーデンの車メーカー、ボルボの大型ダンプトラックの荷台に取り付けたものだ。乗員は4人だ。
アーチャーシステムには砲、弾薬運搬車、支援車の3種の自走車両が含まれる。戦闘では砲は前線近くに行き、弾薬運搬車と支援車は後方に待機する。
アーチャーは自走りゅう弾砲の中でもユニークな存在だ。他の砲と同じように北大西洋条約機構(NATO)規格の155ミリ砲弾を発射するが、より遠くまで砲弾を飛ばす。この射程距離は部分的には、ボフォースがアーチャーとともに開発した、効率的であらかじめパッケージ化された火薬装薬のおかげだ。
すべての砲は装薬を必要とする。砲手が砲身に砲弾を装填し、火薬の袋も詰める。火薬が多ければ射程距離は伸びるが、多すぎると砲身が破裂して砲が壊れ、乗員が危険にさらされる可能性がある。