食&酒

2023.11.09 11:30

肉には赤を、魚には白を、そして恋にはシャンパーニュを

シャンパーニュ委員会日本代表 笹本由香理氏(福井県 開花亭にて 奥に見えるのは足羽川、春になると桜が満開になる)

日本は世界第三位のシャンパーニュ消費国

笹本:シャンパーニュにとって日本は第3の輸出市場であり、重要なクライアントです。2020年、パンデミックで一旦落ち込んだ消費も翌年には持ち直し、2022年は地政学的リスクがあったものの、金額・数量ともに過去最高をマーク。出荷量は16.6百万本となり前年比20%増。輸出市場上位10カ国の中で最も増加しました。バブル崩壊直後の30年前は100万本の市場だった日本。リーマンショックを除き、ほぼ着実に右肩上がりのマーケットです。
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業態別にみるとメゾン(ネゴシアン・マニピュラン:栽培農家よりブドウを仕入れシャンパーニュを作る)が217社、ヴィニュロン(レコルタン・マニピュラン、いわゆるRM:自社畑で収穫したぶどうからシャンパーニュを作る)が471社、協同組合(コーペラティフ・マニピュラン)が26社となり、前年比59社増です。

はるか10000kmほど離れた異国の地、更に国民一人当たりの年間ワイン消費量は3リットル(およそ4本)、世界21位と決して大きなワイン消費国であるとはいえない日本でこの数字は驚異的なものです。そして日本は他国に比較し、プレステージュクラスのシャンパーニュ消費が全体の約10%とかなりのボリュームを占めていることも特徴です。

しかしながら、シャンパーニュメーカーのフラッグシップ的存在でもある、ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュの消費も増えています。これは、シャンパーニュを“記念日など特別な時に飲むもの”、だけでなく“ちょっとした自分へのご褒美”、や”女子会などの『映える』集い”、そして“お食事と合わせて、日常的に楽しむもの”として捉えられ始めていることの現れだと考えております。制限が強いられたパンデミック渦では、シャンパーニュのあるシーンをSNSへ投稿して自らの気分を高めたり、いつもとはちょっと違ったシーンを演出するために、いつものビールではなくシャンパーニュを楽しまれる方が急増してきました。
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文=鈴木幹一

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