これらの偵察車両を戦車として使い、すぐさま多くを失ったのだ。
ウクライナ側が追加で40両求めたというのは、反攻作戦の最初の週から得た手痛い教訓を真に吸収し、AMX-10RCに適切な役割を振ったことを示しているのかもしれない。
フランス政府が1月に、ロシアと戦うウクライナにAMX-10RCを40両供与すると発表したとき、期待は高まった。そしてAMX-10RCの第1弾は4月にウクライナに到着した。
AMX-10RCは重量が15トンある6輪車で、走行スピードが速い。105mmの主砲と昼夜使える照準装置を搭載しており、当時ウクライナ国防相だったオレクシー・レズニコフは同車両に試乗した後「高速で走る狙撃銃だ」と絶賛した。
レズニコフの称賛は何ら驚くことではなかった。フランスの防衛企業GIATはまさにレズニコフが指摘したような特性を持たせようとAMX-10RCを特別に設計した。その特性とは戦闘範囲、状況認識そしてスピードだ。
頑丈な車輪や燃費の良い280馬力のディーゼルエンジン、信頼できるサスペンションを備えたAMX-10RCは、道路であれば最速時速約85kmで走ることができる。搭載しているF2ライフル砲は安定性に欠けているもののかなり正確だ。もちろん、静止した状態で発射した場合だ。
GIATはAMX-10RCを敵の砲火に耐えられるようには設計しなかった。わずか15トンの車体は薄いアルミニウム製だ。AMX-10RCの乗員4人は敵に向かってスピードを上げ、アリ塚を蹴ったときのような反応を引き出すために数発発射する。そして敵の位置を把握し、反撃が激しくなる前にスピードを上げて逃げる。
ウクライナ国防省は当初、AMX-10RCの特性を高く評価していたようだ。結局、陸軍ではなく、海兵隊にAMX-10RCを配備した。
ウクライナの海兵旅団は急襲や川沿いでの襲撃のために訓練を行い、編成している。こうした任務は、防衛を犠牲にしてでもスピードと荒々しい行為が要求される。
だが、ウクライナがドネツク州南部で待望の反攻を開始して間もない頃、第37海兵旅団がAMX-10RCを初めて戦闘に投入したとき、経験の浅い下級将校たちは選択を誤った。
French-supplied AMX-10RC AFVs in Ukrainian service pic.twitter.com/KPFXWDa4ji
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) September 10, 2023