気候・環境

2023.10.18 15:00

オンラインやSNSで配信される気象情報の「信憑性」、米国

専門家も愛好家も、何日も先の決定論的モデルに基づく、wishcasting(希望的予報)や誇張、あるいはクリックベイトの誘惑に負けてしまうことがよくある。学会のウェブサイトにはこうも書かれている。「CDMの対象となる気象予報士には、グラフィック情報の作成者、デジタル形式によるコンテンツの作成者あるいは個人ウェブサイトやSNSのようなオンラインで独立コンサルタントサービスを提供している人たちが含まれます」

米国気象協会(NWA)は、米国におけるもう1つの気象に関する主要な組織だ。NWAのウェブサイトには「米国気象協会デジタル資格プログラムは2014年に、インターネット上の科学に基づく信頼できる気象コンテンツを、その他のコンテンツと区別することを目標に開始されました」と書かれている。本稿執筆時点で、NWAデジタル資格者としてウェブサイトに記載されているのは4名だけだ。


NWAがデジタル資格を立ち上げるよりも前、私が米国気象学会の会長だったとき(2013年)、何らかのデジタル資格のアイデアを提案したことがある。しかし、多くの支持を得ることはできなかった。よく見られた反論を以下に紹介する。

・多くの人はテレビに出てくる資格を理解しない、だから必要ない
・資格を持つ気象予報士の中には、今も疑わしい情報や誇張を流している者がいる
・資格は、プロの気象予報士と気象愛好家コミュニティーの間に溝を作る

10年近くになるNWAデジタル資格の取得人数を見ると、否定派の指摘は正しかったのかもしれない。しかし、 AMSはNWAより大きい組織なので、新しいCDMプログラムを普及させることができるかもしれない。冬を迎えるにあたり、私は数多く投稿される吹雪に関する悪い情報を思い出す。多くの場合、投稿を読む人たちは、それが信頼できる気象情報なのか、希望的予報なのか、再シェアやフォロワーを増やすための誘いなのか、区別することができない。CDMプログラムが支持を得るかどうか、見守っていきたい。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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