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2023.10.05 17:30

小売業の「グリーン革命」とは。5つのテクノロジーを紹介


Microsoft Cloud for Sustainabilityダッシュボードには、二酸化炭素排出量に関するデータと洞察が表示される。
出典:Microsoftウェブサイト

スマートビルディング技術

小売企業は、HVAC(暖房、換気、空調)、セキュリティ、照明などのビルシステムを制御するためのセンサー、自動化、データ分析を使って、エネルギー使用量を最適化し、利用者の快適性を高め、運用コストを削減するための高度な技術やシステムを導入することができます。

センサーとメーターのネットワークがエネルギー使用量のデータをリアルタイムで収集するため、ユーザーは非効率なエリアを特定し、システムが自動的に最適なエネルギー使用のための調整を行うことができます。

エネルギー消費を削減することでサステナビリティを向上させるために利用されているスマートビルディング技術には、以下のようなものがあります:

・店頭や倉庫など、建物の窓から入る自然光のレベルに基づいて、照明の明るさ、色、温度を調整するスマート照明システム。

・無人スペースを検知し、それに応じて照明や空調を調整する稼働センサー。

・天気予報と予想される客室稼働率に基づいて温度と湿度を最適化する自動HVACシステム。

スマートビルディング技術はまた、エネルギー使用パターンに関する洞察を提供し、将来の改善分野を特定することもできます。

スマートビルディング技術は、物理的施設でのオペレーションに伴うエネルギー消費と二酸化炭素排出を削減するという点で、EnCOREフレームワークの「オペレーションの最適化」要素に合致しています。

また、このテクノロジーは、エネルギー使用パターンに関する深い洞察を提供し、将来の業務に関する意思決定やサステナビリティ目標の策定に役立てることができ、小売企業の「環境意識」の達成をサポートします。

・Walgreensは、エネルギー使用量の削減と再生可能エネルギーへの取り組みの拡大に取り組んでいます。同社は、エネルギー効率の高い技術、エネルギー管理システム、太陽光発電の設置に240拠点で投資しています。また、HVACのアップグレードと照明ソリューションの最適化を実施し、効率を向上させています。

同社は、米エネルギー省の「ベター・ビルディングズ・チャレンジ(Better Buildings Challenge)」への参加を通じて、1億平方フィートのポートフォリオ全体で、2020年までにエネルギー使用量を20%削減することを約束しています。

・Whole Foods Marketは、Better Buildings Challengeによると、1230万平方フィートで2023年から2021年の間にエネルギー使用量を21%削減し、2023年までの達成目標を上回りました。同社はBetter Buildings Showcase Projectとして、熱電併給システムやソーラーキャノピーアレイなどのスマートビルディング技術をブルックリンの店舗に導入しています。

また、Eversource Energyと提携し、冷蔵システムの交換、LED照明のアップグレードなどを含む、食料品に特化した省エネルギーパッケージを開発しています。
Whole Foods Marketは、多くの店舗でスマート照明とHVACシステムを導入している。
出典:Whole Foods Market
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文=RxR Innovation Initiative

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