重量69トンのレオパルト2は頑丈で、問題が起きていない点からみても信頼性はそこそこ高い。ウクライナ軍が南部と東部の複数の戦線で一斉に反攻に転じてから3カ月、激戦の中で失ったレオパルト2は受領した72両のうち、わずか6両だ。
数両は損傷を受け、回収され、修理されて戦線に復帰した。ドイツやポーランドに送られて、より徹底的な修理を施されている車両もある。これほど多くのレオパルト2が回収・修理可能である事実は、その設計の健全性と技術面における全体的な状態の良さを物語っている。
一方のレオパルト1は、残存性や再利用性がそれほど高くないかもしれない。もしもレオパルト1の状態が、引き渡し時点でウクライナにはっきり拒絶されるほど状態が悪いとしたら、実戦の負荷と暴力の中でどうなるか想像してみてほしい。
また、これとは別に、レオパルト1があえて軽量化して設計された結果、本質的に脆弱だという問題もある。
ウクライナ軍は、今ある装備で最善を尽くすだろう。また、結果的に大きな犠牲を払うリスクをも受け入れるだろう。ウクライナの海兵隊司令官たちが、6月に南部で行われた初期反攻作戦の際、火力不足に悩んだ末に、武装は十分だが防御力の低いフランス製の偵察車両を最前線に投入した結果、何が起きたか。
AMX-10RC偵察戦闘車は砲撃を受け、乗員4人のうち少なくとも1人が二次爆発で死亡した。その後、海兵隊はAMX-10RCを最前線から引かせ、砲撃を兼ねたより安全な任務に就かせた。
ウクライナの戦車兵たちは、旧式のレオパルト1で初めて戦場に赴くとき、どんな厳しい教訓を学ぶのだろうか。
(forbes.com 原文)