長く保管されていた戦車が、実際に機能すればよいのだが。
1980年代にドイツで開発されたレオパルト1A5は、精密な暗視光学系とスタビライザー付きの105mm主砲を備え、長距離射撃に優れ、機動性も高い。しかし、防御力には優れているとはいえない。装甲は最も厚い箇所でも70mmしかなく、防御性能は2000年代に開発されたレオパルト2A6戦車の10分の1だ。
ドイツの基地でウクライナ兵を訓練していたデンマーク人の戦車教官が、レオパルト1では夜間に移動しながら戦うことが肝要だと訓練生に説いたのには理由がなくもないのだ。この戦術は、旧式戦車の長所を生かしつつ、被弾したら最後だという最大の弱点を補う。
「ウクライナの友人たちは、この戦法を活用することを学ばなければならない」と教官は述べた。
だが、いかに戦術面で工夫を凝らそうとも、壊れた戦車を走らせることはできない。そして、40年前に製造されたレオパルト1の少なくとも一部は、供与前にドイツで改修を施されたにもかかわらず修理の行き届いていない状態だとの懸念すべき情報がある。
独誌『シュピーゲル』によれば、ウクライナは戦車の状態が悪いという理由で10両のレオパルト1の受け取りを拒否したという。今夏にウクライナに到着したレオパルト1の中にも、すぐに故障した車両が複数あった。ドイツ政府関係者は、昨春に始まり来年まで続く予定のウクライナ兵への2週間の集中訓練コースで戦車が摩耗したとの見方を示している。
新設された第44機械化旅団をはじめ、ウクライナ軍の部隊はすでにレオパルト1の実戦配備を開始しており、少なくとも一部の戦車は使える状態にある。しかし、これまでにウクライナに引き渡された旧式戦車のおそらく3分の1か半数が到着時点ですでに故障していたというのは、ウクライナ側を落胆させたに違いない。