ロシア軍はウクライナ軍の第46、第82旅団による強襲を阻むべく、ノボプロコピウカの部隊の一部をベルボベに移すことができる。他方、戦線を安定化させる必要からやむにやまれず東部から南部へと急派させているらしい、精鋭の第76親衛空挺師団の部隊をベルボベに配置することもできるだろう。
ただ、第76親衛空挺師団はロシア軍が温存している最後の師団だ。ベルボベの増援に回せば、ロシア軍が南部戦線のほかの拠点に充当する部隊はもうなくなることを意味する。
ロシア軍が急場しのぎの策として、ベルボベにノボプロコピウカの守備隊の一部を配置転換したとすればどうなるか。その場合、第46、第82旅団が選ばなかったことをするチャンス、つまりノボプロコピウカへ南進して北側から直接攻撃するチャンスが、ロボティネやその周辺に展開しているウクライナ軍のほかの旅団に与えられるだろう。その旅団には、戦い慣れしている第47機械化旅団や第65機械化旅団が含まれる。
つまり、空挺軍の両旅団の行動はメリトポリに向けた主要な攻撃になる可能性もあれば、より西で行われる実際の主要な攻撃を支援する陽動になる可能性もある。どちらになるかはロシア軍の選択しだいだ。ノボプロコピウカの守備隊は動かさず、ベルボベの防御線が現在の兵力で持ちこたえることに望みをかけるか。それとも、ノボプロコピウカからベルボベに増援部隊を送り、ノボプロコピウカの防衛線はより少ない兵力でも持ちこたえると期待するか。
ウクライナ軍は巧みな布陣によって、ロシア軍をどちらにしても危険がともなう二者択一に追い込んでいる。
(forbes.com 原文)