現ワクチンでは効果50%以下か
専門家からは、秋ごろにXBB対応ワクチンが使用できるようになるまで、追加接種は待つべきだという声も上がる。米ハーバード大学のブリガム・アンド・ウイメンズ病院で感染症部門の臨床部長を務めるポール・サックスは米紙ニューヨーク・タイムズの取材に、追加接種を検討している大半の人にとって「待つほうが理にかなっている」との考えを示している。
現行の追加接用2価ワクチンがターゲットとするBA.4とBA.5は米国でかつて主流だったが、現在は合計でも感染者全体の1%に満たない。また、CDCが1月に行った調査研究によると、この2価ワクチンのXBBとXBB.1.5に対する防御効果は大半の成人で約50%、65歳以上では約3分の1にとどまった。
豪ニューサウスウェールズ大学のカービー研究所でバイオセキュリティープログラムを統括するレイナ・マッキンタイアは地元紙シドニー・モーニング・ヘラルドに、既存の2価ワクチンは「(EG.5から派生した)EG.5.1に対する防御効果は不十分だが、開発されているXBB対応ワクチンはEG.5.1から守ってくれるだろう」と語っている。
このほか、米ミシガン大学の感染症専門家であるプリーティ・マラニも米公共ラジオNPRで、流行中の変異型には次期ワクチンのほうが「より適合」するとし、大半の人はその承認を待つのが得策だと述べている。