健康

2023.06.18

認知機能低下につながる「超加工食品」とは

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米国法曹協会のシニア弁護士部門が公開した記事で、米国アルツハイマー協会が開いた国際会議について報告されている。筆者もその一員であるシニア弁護士部門は50歳以上の弁護士で構成されており、健康はこのグループが関心を寄せるテーマだ。

会議では、ブラジルの成人1万1000人の食習慣を8年間追跡し、「超加工食品」の影響を調べた研究に注目が集まった。この研究によれば、超加工食品の摂取量が多い人は、摂取量が少ない人に比べて、認知スコアが28%低下するという。

超加工食品とは?

この研究で調査対象になった超加工食品とは、精白パン、クッキー、マヨネーズ、味付きヨーグルト、マーガリン、ソーセージ、ハンバーガー、ハム、サラミ、ホットドッグ、シリアルバー、冷凍食品、炭酸飲料などの飲食物だ。いずれも、典型的な米国人の食生活によく含まれるものだ。

だとすれば、米国人の3人に1人以上が85歳までにアルツハイマー病と診断されるのも驚きではない。アルツハイマー病の診断に至るまでには何年もかかることがあり、記憶、計画、言語、目的遂行の能力が徐々に低下していくことがわかっている。実際に診断されるころには、病気の予防を念頭に食習慣を変えても手遅れかもしれない。

超加工食品の何が脳に害を及ぼすのか

この研究では、超加工食品に含まれる「元凶」かもしれないものが特定されている。超加工食品は、果物、野菜、肉といった「ホールフード」の対極にあるもので、その多くには香料、乳化剤、着色料などの添加物が含まれる。

買おうとしている食品がどういうものなのかよくわからないのなら、ラベルを確認してみるといい。ラベルに複雑な名前が書かれた原料はどれも、あなたの脳の健康に害をもたらすかもしれない。

研究チームのひとり、ナタリー・ゴメス・ゴンサウベス博士は、健康な食習慣の導入に関しては中年期が重要な時期だと警告する。というのも、それが後の高齢期に影響を及ぼす可能性があるからだ。言い換えれば、中年期に食べるものが、老後に認知面の問題の多くを生み出すかもしれないということだ。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ・編集=遠藤宗生

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