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2023.04.16

高齢の親をネットショッピングのトラブルから守る方法

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コンピューターが使える年配の人にとって、オンラインショッピングはすこぶる便利なものだし、特に問題はないことが多い。ただし、何かトラブルが起これば話は別だ。判断力がやや衰えていたり、記憶力に問題があったりする高齢者にとっては、ネットでの買い物は落とし穴になりうる。

たいていの買い物は滞りなく完了するものの、やはり時には間違ったものが届いたり、買ったものが届かなかったり、大量の商品が届き続けてしまったりする。少し忘れっぽくなっている高齢の親は、こうしたトラブルにうまく対処できない。

あるいは、返品の方法や期限でトラブルが起きたり、業者から代金の返還を拒否されたりして、困惑してしまうかもしれない。売り手が詐欺業者のこともあり、その場合は代金をだまし取られ、買った品が届かない。高齢者の場合、返金を受けたり、不正な請求を拒否したりするのに必要な押しの強さ、根気、集中力を持ち合わせていないかもしれない。

筆者が立ち上げた「AgingParents.com」は高齢者のいる家族を支援しているサイトで、オンラインショッピングに関するさまざまな相談も寄せられている。その一部を、以下に紹介しよう。

ある88歳の男性は、ネット注文を何度も繰り返す問題を抱えている。注文したことを忘れて、また注文してしまうのだ。成人した子どもたちが訪ねると、男性の家の玄関には、未開封のAmazon(アマゾン)の箱や、さまざまな小包、空箱が山積みになっていた。本人は混乱しており、何を買ったのか、なぜ買ったのか答えられない。

最近夫を亡くした79歳の女性は、夫のオンラインアカウントを使って自分用の買い物をしているが、夫が利用していた定期購入の商品が今も届くことに困っている。自分には使い道がなく、欲しいとも思わない商品だったが、定期購入の止め方がわからない。販売元に電話もしてみたが停止できず、いまだに定期購入の代金を請求され続けている。

80歳のある女性は、買い物がやめられない。注文した商品の箱を開封もせず溜め込み、それがどんどん積み上がっていく。抑制のきかない買い物の結果として、家の中は品物でいっぱいだ。家族はやめるよう頼むが、女性は聞く耳をもたない。どう説得すればいいのか、誰もわからない。
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翻訳=高橋朋子/ガリレオ・編集=遠藤宗生

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