健康

2023.06.18 08:30

認知機能低下につながる「超加工食品」とは

超加工食品がまん延する米国

健康や老化の専門家は何年も前から、米国人の典型的な食事は健康的ではなく、さまざまな疾患の進行、とりわけ認知機能の低下につながるおそれがあると、繰り返し訴えてきた。だが、私たちはそれを知っていてもなお、変化に抵抗している。

私たちが慣れ親しんだ超加工食品は、おいしい。メディアはそうした食品を宣伝する広告であふれている。(超加工)バーガーは大きければ大きいほどよい。あなたが食べれば食べるほど、メーカーが得られる利益は大きくなる。企業は自社製品を大々的に宣伝し、販売を後押しする。

私の知るかぎり、ほとんどの人は、食べ慣れているものをやめようとはまったく思っていない。そのせいで、私たちは老化に伴う多くの慢性疾患を抱えることになる。その代表格が認知機能の低下だ。

まとめ

1. 研究では、超加工食品の味に慣れ、その味が大好きな人や、毎日のカロリーの20%以上を超加工食品から摂取している人は、年をとると認知機能が低下する可能性があることが示された。こうした食生活を続ける価値があるのかを自問しよう。

2. 超加工食品の多い食習慣を完全に変えるのではなく、摂取量を減らすだけでもいい。たいていの人には、脂肪、糖分、塩分の摂取量を減らす余地がある。さらに健康的で良い老後を送りたいのなら、毎日少しずつ、超加工食品を減らすようにしよう。

3. 食料品店で買うものを意識しよう。食品のラベルを読むこと。果物、野菜、豆類、魚などのホールフードが食事の大部分を占める人は、典型的な米国人の食事をとっている人ほどは高齢期の認知機能の低下に悩まされない。

4. アルツハイマー病などの認知症は、予防の手だてがないわけではない。食べるものを賢く選べば予防になるし、それは自分でコントロールできることだ。賢い食習慣の効果はすぐには目に見えないだろうが、長期的にはその努力にじゅうぶんな価値があることは、信頼できる多くの情報源かからはっきりと示されている。

5. 英国の古い格言「1日1個のリンゴで医者いらず」には根拠がある。ホールフードである未加工のリンゴはすばらしい選択肢であり、シリアルバーなどの手軽なスナックよりもはるかに健康に良い。

高齢者の家族を支援するために筆者が立ち上げたウェブサイト「AgingParents.com」で扱う問題のうち、最も多いのが認知症にまつわるものだ。認知症当事者の生活スタイルがもっと健康なものだったら、私たちがいま目にしている高齢者の認知機能低下の大部分を予防できた可能性がある。いまこそあなたも、手遅れになる前に、自分の脳の健康に注意を払い、力を注ぐべきだ。

forbes.com 原文

翻訳=梅田智世/ガリレオ・編集=遠藤宗生

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