第35海兵旅団と第37海兵旅団が同川の渓谷一帯を強襲する間、姉妹旅団である第36海兵旅団はそこから16kmほど西のステポベ近辺で戦闘を続けている。もうひとつの第38海兵旅団は先週、スタロマイオルスケの東に隣接するウロジャイネの外れでロシア軍の地上部隊と初めて交戦した。
海兵隊はこの攻勢軸で、陸軍がより西で進めている反攻よりも成功を収めている。もちろん、これは地形の違いも一因である。
陸軍の作戦区域、とくにトクマク方面の軸に沿ったエリアは広く開けており、大半は平坦で樹木もあまり生えていない。そしてTM-62対戦車地雷が大量に敷設されている。一方、モクリ・ヤリー川渓谷周辺はもっと複雑な地形をしていて、広大で密集した地雷原も比較的少ない。攻撃はこちらのほうが進めやすいと言えるだろう。
もっとも、これは海兵隊の機動性や規律、攻撃力が信用されていないということではない。ウクライナ軍が海兵旅団をすべてこの軸に配置したのには理由がある。反攻開始から3カ月目に入ろうとするなか、大きな突破を達成しようと必死になっているのは明らかだ。軍の指導部は、いまこそ海兵隊の全戦力を投入すべき時と考えているようだ。
ただ、近いうちに突破できなければ、これら全海兵旅団に休養が必要になるかもしれない。現在、戦闘を行っている4個旅団と入れ替わる5個目、6個目、7個目の海兵旅団は、ウクライナにまだ存在していない。
(forbes.com 原文)